2014年4月1日火曜日

Objective-🍣


全く新しい、真にユニバーサルな言語へ。


皆さんiOS開発の際にお世話になっているObjective-Cですが、一部の開発者の方々から以下の様な否定的な意見をいただくことがあります。

  • とっつきにくい
  • 文法がキモい
  • @や[]がキモい
  • シグネチャが無駄に長い
  • Apple製品でしか使えない

確かにObjective-Cは習熟すればこれらの欠点を補って余りある素晴らしい言語ですが、これからの更なるモバイルアプリの世界の拡充のためにはより一層多くの開発者に愛される言語になる必要があると私は考えました。

そこでこの度ご紹介するのがObjective-Cをさらに使いやすく、さらに親しまれるように、全く新しく一から作りなおした新言語

Objective-🍣

です!

Objective-🍣とは

以下の様な特徴を持つ言語です!

  • 驚異的に短く、真にユニバーサルな、洗練された文法を持ちます。これまでのプログラミング言語は基本的に英語による記述を強いるものでした。Objective-🍣は真に全人類にとってユニバーサルな絵文字をサポートすることで、この問題をすべて解決しました。Objective-🍣の親しみやすい文法にはすべてのプログラマがシンパシーを感じることができます。
  • Objective-Cと100%のランタイム互換性を持ちます。新しいiOSが登場してもその瞬間からあなたはObjective-🍣の圧倒的なパワーを手にすることができます。

さっそくObjective-🍣で書かれたサンプルコードを見てみましょう!拙作確率計算機のコードをObjective-🍣に書き換えてみました!

before

after

なんというこれまでにない全く新しいソースコード!あのキモかった@や[]、長ったらしいメソッド名がその姿を消しています!そのあまりの美しさには全プログラマが歓喜の涙を流すこと間違いありません!

Objective-🍣の導入方法

こちらのobjsushi.hをあなたのプロジェクト上でincludeするだけで使用できます!簡単ですね!


Objective-🍣を使ってみる

それでは早速ビルドしてみましょう!

あれ

えっちょ

\(^o^)/

ちなみに日本語セレクタ自体はXcode 5以降で普通に使えますよ。

お詫び

こちらの記事にはiOSならびに最新のMacでのみご覧になれる文字(具体的には🍣)を多数含んでおりますことをお詫び申し上げます(´・_・`)

2014年3月20日木曜日

iOSアプリ「確率計算機」をリリースしました


iOSアプリ「確率計算機 (YourLuck)」をリリースしました。
ガチャのドロップ率と試行回数からドロップ期待値を計算するアプリです。
無料です。
https://itunes.apple.com/jp/app/que-lu-ji-suan-ji-gachano/id838156105?mt=8 (JP store)
https://itunes.apple.com/app/id838156105?mt=8 (Universal)

機能

シンプルイズベストなので、以下の2つだけです。

  • 確率計算・・・何回ガチャを回したら、最低でも1個はドロップするか、確率を計算します。
  • 期待値計算(v1.1.0以降)・・・ガチャを指定された回数だけ回すと、一体何個ぐらいはドロップするのか、ドロップする数を計算します。


使い方

特別なことはなにもないのですが、以下のように操作します。



期待値計算モード(v1.1.0以降)

画面左下のこのアイコンを押すと、期待値計算モードに切り替わります。通常の確率計算モードでは「指定された試行回数分だけガチャを回したら最低でも1個はドロップする確率」を表示しますが、期待値計算モードでは「指定された試行回数分だけガチャを回したらだいたい何個ぐらいドロップするか」を瞬時に計算する事ができます。同じモンスターを複数体狙っている時などに便利です。


FAQ

Q: 用語が難しくてよくわからんのだが
A: めっちゃバッサリ言うと以下のとおりです。
  • ドロップ率・・・ガチャのドロップ率です。そのまんまですね。
  • 試行回数・・・何回ガチャを回すかです。
  • 中央にでっかく出る%・・・指定したドロップ率で、指定した回数だけガチャを回したら、100人いるうちここに出ている数字の人が最低1回は指定したドロップ率の何かが出る、という意味です。30%だったら100人のうち30人が最低1回出ます。運がいい人であれば2回以上出るかもしれません。

Q: 絶対確実って表示されてるのに表示されてる試行回数分だけ回しても出なかった!詐欺だ!!!
A: 申し訳ありません(´・_・`) これには幾つか理由があります。
  • 確率は確率なので、例えば98.7%で絶対確実と表示されても1.3%の人、1000人に13人の人は外れてしまいます。これは年末ジャンボ宝くじを1枚だけ買ったら5等3000円が当たった、ぐらいの確率です。すごいのかすごくないのかイマイチわからんですね。
  • 試行回数が多いと誤差が出る可能性があります。具体的には試行回数100回以上はより高速な計算を使っているのですが、そのため精度1~2%程度ですが落ちている可能性があります。

Q: 期待値モードで「最低でも」とか「ほとんどの人は」とか出るけどあれ具体的には何%なの?
A: 以下のとおりです。
  • 最低でも・・・100人中98人がこの数字以上の個数を獲得できます。
  • ほとんどの人は・・・100人中85人がこの数字以上の個数を獲得できます。
  • 半数の人は・・・100人中50人がこの数字以上の個数を獲得できます。

Q: ガチャの確率ってどこで調べればええの?
A: 以下の様な方法をオススメします。
  • ゲーム内に表示されている場合があります。最近のゲームでは特に確率を表示しているものが増えているので、ガチャの画面で注意して探してみてください。
  • グーグルとかヤフーで「ゲーム名 ガチャ 確率」と入力して検索する。
  • 知ってそうな人に聞く。ただしゲームを作ってる中の人とか関係者にTwitterで聞いても絶対に教えてくれないのでそういう人以外に聞いてください。

サポートとか

もし何かございましたら、以下の私の連絡先にまでご連絡ください。
mail: akisutesamaあっとまーくgmail.com
twitter: @akisutesama

2014年3月12日水曜日

iOS SDK 7.1 / Xcode 5.1にアップグレードした時に踏んだ地雷まとめ

本日iOS SDK 7.1 / Xcode 5.1にアップグレードを行った際にぶつかった所々の問題とTipsをまとめておきたいと思います。

arm64対応とCocoaPods

Xcode 5.1からデフォルトのビルド設定$(ARCHS_STANDARD_32_BIT)がarm64、要するに64bit対応を含むようになり、arm64 armv7 armv7sの3つのアーキテクチャに対してビルドを行うようになりました。ソースコードからビルドを行っている場合は大抵問題ないと思うのですが、以下の様なケースでarm64対応を切りたい場合があります。

  • プロジェクト内にarm64アーキテクチャに対応していないstaticライブラリが含まれている場合。
  • 64bitになると危険なバグが発生するおそれがあるコードが含まれている場合、例えばCGFloatやNSIntegerのサイズが変化したり、各種ポインタのサイズが4byteから8byteに増えていたりすると面倒な事が起きるような計算をしている場合。

このような場合、一番簡単な対応策はBuild SettingsのArchitectures(ARCH)をarmv7 armv7sに書き換えることなのですが、こうすると実はCocoaPodsを使用しているプロジェクトの場合リンカエラーが発生してビルドができなくなるという問題があります。
https://github.com/CocoaPods/CocoaPods/issues/1787

そこでBuild SettingsのArchitectures(ARCH)を$(ARCHS_STANDARD_32_BIT)という値に設定すると内部的にarmv7 armv7sとして扱ってくれ、かつCocoaPodsが問題を起こさないようです。この方法をオススメします。この件については以下のページが詳しかったです。
http://stackoverflow.com/questions/8323343/archs-standard-32-bit-vs-armv6-armv7-armv7s-vs-i386

JSONKit対応とCocoaPods

Xcode 5.1からisaポインタへの直接アクセスが完全に禁止になりました。これまでは警告を出さないようにする事が可能でしたが、Xcode 5.1からはそのオプションもなくなり問答無用でビルドエラーにされてしまいます。この問題が最も深刻に出るのはJSONKitライブラリです。
https://github.com/johnezang/JSONKit/issues/79#issuecomment-6322919

対策として一番簡単で確実な方法はJSONKitを使うのを今すぐやめてNSJSONSerializationに乗り換えることです。NSJSONSerializationはiOS 5から使用できるので、あなたが余程のパフォーマンス厨か、またはあなたのプロジェクトが数千万人以上のユーザを抱える巨大プロジェクトで、万一iOS 4系のサポートを止めると何故かあなたの会社ではなく携帯電話会社に「使えないんでなんとかしてください」と苦情が寄せられるような社会的インフラとなったアプリでもなければこの方法を取ることを強くオススメします。

それでも何らかの理由か大人の事情で万一JSONKitをサポートしなければならない場合は、もはやソースコードを書き換えるしか手がありません。幸いにしてXcodeがエラー箇所の修正提案を自動的に全て行ってくれるため、それに従ってコードをホイホイ書き換えれば簡単にビルドが通って使えるようになります。また、すでにそのようなパッチやプルリクエストが山ほどgithub上に用意されています。例えば以下の様なプロジェクトをオススメします。
https://github.com/ignazioc/JSONKit-NoWarning (JSONKit 1.5.2pre, 要するに最新版相当)
http://cocoapods.org/?q=jsonkit-nowarning (CocoaPodsでも使用可能です)

まとめ

CocoaPods爆発しろ