2009年12月27日日曜日

OmniFocus を軽く快適に使えるようにメンテする技

普段からGTD用ツールとしてOmniFocusを便利に活用しております。iPhoneと3G経由でいつでも同期できたり、タスクレビュー機能があったり、何でもできて凄く助かるのですが、このOmniFocusには弱点がありまして・・・

そう

重すぎ

定期的にデータベースをメンテしてあげないととんでもない重さになってしまいます。
具体的には、サーバーと同期しようとしたiPhoneが10分間固まって帰ってこなくなったり
mobileme上に置いてあるデータベースファイルを開こうとしてFinderが固まって帰ってこなくなったり
とにかく、相当な破壊力を持つ代物です。その上公式サイトにも正しいメンテナンスの仕方が書いてありません(一番大事なところが書いてない)。そこでOmniFocusユーザーの方必見(?)、OmniFocusデータベースのメンテナンス方法をまとめてみました。

参考にしたページは以下の通り。
http://forums.omnigroup.com/showthread.php?t=14631&highlight=compact
http://forums.omnigroup.com/showpost.php?p=70253&postcount=3


■予備知識:OmniFocusのデータベースの構造
OmniFocus.ofocusというファイルがOmniFocusのデータベースファイルです。その正体はMac Bundle(わかりやすく言えば単なるディレクトリ)で、中に以下のような形式でZIPファイルが入っています。
0000000000-日付.zip
ランダムな文字列-日付.zip
ランダムな文字列-日付.zip
ランダムな文字列-日付.zip
以下たくさん・・・
このZIPファイルを解凍するとcontent.xmlというXMLファイルになります。このcontent.xmlの集合がOmniFocusデータベースの基本構造になります。
content.xmlには「一番最初のデータベースの状態」か「前回保存時からのデータベース操作内容」が記載されています。要するに先ほどのZIPファイルの集合には以下のようにデータが格納されています。
このデータベースにはタスクが10個入ってるよ - 2009/11/10.zip
タスクBを完了したよ - 2009/11/10.zip
タスクXYZを新規作成したよ - 2009/11/10.zip
タスクDを削除したよ、あとコンテキストXXXを作成したよ - 2009/11/12.zip
これらのZIPファイルが自動的に削除されることはありません。要するにこのままではデータベースの領域が増える一方なわけです。これが重さの原因です。


■公式で推奨されている方法:定期的に"Move Old Data to Archive"を実行する
実はこれ全然役に立ちません。
なぜか?
このコマンドを実行すると何が行われるかって、先ほどのデータベースに
タスクAとBとCはArchiveしたからもう二度と表示しなくていいよ.zip
これが追加されるだけなんです。

・・・え、かえってデータベースのサイズ増えてね?


■本当に有効な方法:定期的に"Compact DataBase"を実行する
で、こっちが本命です。このコマンドを実行すると、操作内容を格納しているZIPファイルをすべて削除して、一つの新しい「現在の状態を表すZIPファイル」だけが存在するデータベースを作り直してくれます。効果は劇的で、たとえば私の場合は11.5MBあったデータベースファイルのサイズが25KBになりました。
問題はこのコマンド、実は「同期設定を行っている最中は実行できません」。この辺マニュアルや公式FAQに書いてなくて困りました。

ということで、いったん環境設定からiPhone等との同期を「OFF」にしてから再度"Compact DataBase"を実行すると良いです。


■対策3:余計なバックアップを作成しない
初期設定ではクライアントが終了するたびにデータベースのバックアップを取るようになっていますが、これを放置しているととんでもない量のバックアップファイルが作成されてしまうので、設定を適当に変更しておくと良いと思います。

2009年12月19日土曜日

Java 使いの人向け ActionScript3 のクラス仕様まとめ

仕事の都合でJavaからActionScript3(FlexじゃなくてFlash 10みたいです)に乗り換えることになったので、クラスの仕様に親しむためまとめを作ってみました。


■参考文献
http://www.tom.sfc.keio.ac.jp/~fjedi/wiki/index.php?%A5%AF%A5%E9%A5%B9%BC%FE%A4%EA%A4%CE%BB%C5%CD%CD%28ActionScript3%29
こちらのWikiに完璧にまとまっていますので、ぶっちゃけこのWikiを見ればすべて解決すると思います。


■大原則
迷ったらJavaと同じ。
以下のJavaと違う点に掲載のない事項はすべてJavaと同じ。多重継承が無くてinterfaceが用意されている点など。


■Javaと違う点
  1. package宣言は.NETやC++のように{}で囲む必要がある。{}で囲んだ中はJavaとほぼ同じ。publicクラスが一つしか持てない等。
    package {
        //以下javaと同じ
        import flash.text.TextField;
        public class Hogehoge extends TextField { /*...*/ }
    }
  2. package{}の外側にファイルローカルな関数や変数やクラスを宣言できる。この領域はpackage{}の内側でインポートしたクラスやメソッドが使えない。別途インポートし直す必要がある。
    package {
        import flash.text.TextField;
        public class Hogehoge extends TextField { /*...*/ }
    }
    // 別途インポートが必要
    import flash.text.TextField;
    var abesi:TextField = new TextField();
  3. dynamicクラスがある。
  4. abstractクラスやabstractメソッドが無い。
  5. その他、native, synchronized, transientなどが無い。
  6. namespaceがある。(が、正直使い道がよく分からない)
  7. enum型はない。
  8. コンストラクタにもfunctionを付ける必要がある。
  9. コンストラクタは必ずpublicになる。アクセス制御修飾子を指定しないとpublicとして扱われる。
  10. オーバーロードが一切使用できない。コンストラクタもオーバーロードできない。
  11. オーバーライドの際には必ずoverride修飾子を付ける必要がある。
  12. プロパティのgetter/setterを作るために特別な仕様がある(get修飾子, set修飾子)

その他、クラス以外の違いとして、
  1. String型が参照渡しではなく値渡し(プリミティブ扱いなので)
  2. 関数の引数にデフォルト引数が利用できる(オーバーロードの代わりに使う)
    function abesi(a:String="abesi", b:String="hidebu") { /*...*/ }
    abesi(); //自動的にデフォルト引数が使用されるのでこういう呼び出しが可能
  3. 関数の可変長引数の指定の仕方が異なる
    //Javaでは
    public void abesi(String... args) { /*...*/ }
    //AS3では
    public function abesi(...args) { /*...*/ }


■サンプル
以上を踏まえて、練習がてらにプレイスホルダー付きテキストフィールドクラスを作ってみました。

Javaではコンストラクタのオーバーロードが必要になったところ、AS3ではデフォルト引数のおかげですっきり書けました。やっぱりデフォルト引数はいいですね。あと試しにtextColorプロパティのsetterをオーバーライドしてみたのですが、そのせいでthis.textColor = 0x999999とすると意図しないタイミングでdefaultTextColorが書き換わってしまいはまりました。super.textColorとしてスーパークラスのsetterを呼びだすようにして回避。getter/setterのオーバーライドは強力ですが上手く使わないと混乱を招く諸刃の剣になりそうです。

iMovie 08 でニコニコ動画にアップロードするための動画をエンコードする設定まとめ

皆さんご存じニコニコ動画。Windows環境で動画を作ってアップするための情報はたくさんあるのですが、Mac環境用のネタが少ないので、メモしておきます。

参考にしたページは以下の通り。
http://d.hatena.ne.jp/KZE/20091106/p1

http://www.smilevideo.jp/static/www/help/#000562

http://nicowiki.com/encode.html


■環境編
Mac OS X 10.6.2 Snow Leopard
iMovie 08
QuickTime Player X (Snow Leopard付属)

iMovieは08を使用します。各所でお勧めされているiMovie HDであれば高性能でflvも扱えるらしいのですが、新しいソフトを入れて管理するのが面倒という理由により却下です。また、iMovie 09からは動画クリップごとの再生速度管理もできるらしいので、kskとかスローモーションの演出もできるためそっちのほうがお勧めです。

エンコの際にはQuickTimeを利用してエンコするため、一応QuickTimeのバージョンも載せておきました。たぶんLeopard付属のQuickTime Player 9とかでもうまくいくと思います。


■エンコ設定編
まず注意点として、私はプレミアム会員なので、以下の設定はプレミアム会員用に合わせています(ビットレート最大1000Kbps程度、ファイルサイズ最大100MB)。一般会員の方はビットレートを落とせばそのまま利用できるかと思います。

さて肝心の設定内容ですが、http://d.hatena.ne.jp/KZE/20091106/p1で解説されている内容とほとんど同じです。iMovie 08からはそのままflvを書き出すことができませんので、mpeg-4 H.264でエンコードします。具体的には以下の通り。
  1. メニューの「共有」から、「QuickTime を使用して書き出す」を選択する
    Cmd+Eの「ムービーを書き出す」では上手くエンコできませんので注意。
  2. 「書き出し」欄は「ムービーからMPEG-4」を選択する
    ここで「ムービーからQuickTimeムービー」を選択するとどんなに上手くエンコしてもニコ動側で再エンコされてしまいます。絶対に「ムービーからMPEG-4」を選択すること。
  3. 以下の画像のように設定する



    一番上のファイルフォーマットを「MP4(ISMA)」から「MP4」にしないとH.264でエンコできませんので、まず最初に変えておくこと。
    一般会員の方はムービーのデータレートをもっと落としてください。300ぐらいかな?逆に600より上げる必要はよっぽど画質が気になるか短い動画でもないかぎり無いと思います。ビットレートについては私なんぞよりもまとめWikiなどのほうが詳しいのでそちらをご覧ください。
  4. 「ストリーミング」の「ストリーミングを使用する」チェックボックスは入れない
    入れても大丈夫かどうかは未確認ですが、余計な物を入れると変なことになるのではと思い外してます。入れた方がいいのかな・・・

■仕上がり編
上記の設定でエンコしてみた結果がこちら。


特に問題なく見られていると思います。ただしエコノミー回避はしていないのでエコノミーが発動すると悲惨なことになりそうですが・・・


■FLVでエンコしたい編
FLVでエンコしたい場合や、もっと詳細な設定がしたい場合には、ffmpegXというツールを使うと良いようです。試していないのでここでは割愛します。
その他、iMovieから直接FLVでエンコできるようにする方法もあるらしいです。しかしH.264で直接アップロードできるようになった今となっては別にFLVにこだわるメリットも無いかも。