2009年8月8日土曜日

cocos2d細かいところメモ

cocos2dを使っていて適当に気づいたところとかメモしてみます。

■ログ出力
CCLOGというマクロccMacros.hで定義されています。
#ifdef DEBUG
#define CCLOG(...) NSLog(__VA_ARGS__)
#else
#define CCLOG(...) do {} while (0)
#endif
注意点としてDEBUGがdefineされていないと使えません。


■ベクトル演算とか角度変換とか
CGPointを拡張してベクトル演算をするためのメソッドが追加されています。なかなか便利です。たとえばこんな感じ。
    // 二つのベクトルのdot(内積)とlength(ベクトルの長さ)を計算してcosθを求める
float dot = ccpDot(lastAccerelometerVector, convertedVector);
float a = ccpLength(lastAccerelometerVector);
float b = ccpLength(convertedVector);
float cosTheta = dot / (a*b); // 注意:a*bが0だとゼロ除算で死にます。真似しないでね><
// 角度→ラジアン変換用のマクロ。逆ももちろんあります
float threshold = cos(CC_DEGREES_TO_RADIANS(120.0));
Chipmunkにも同様のメソッドがあります。お好きな方をご利用いただけますが、個人的には全部cocos2dでやる方が好きです。唯一の問題は、こんなメソッドを使っているとベクトル内積の計算式を忘れます。


■音を出力する方法
最初からCocoa Touchで用意されているAudio Queue Service, OpenAL, AVAudioPlayer, Audio Unitに加えて、さらにcocos2dについてくる音再生用ライブラリとして
  • CocosDenshionとSimpleAudioEngine
  • sound-engine
これだけたくさんの中から選択できます。今回は一番簡単なSimpleAudioEngineという奴を使ってみました。
        // prefetch sound resources
SimpleAudioEngine *audioEngine = [SimpleAudioEngine sharedEngine];
[audioEngine preloadEffect:@"bell.aif"];
[audioEngine preloadEffect:@"gong.aif"];
[audioEngine playEffect:@"gong.aif"];
たったのこれだけです。playEffectでサウンドエフェクトが、playBGMでBGMが再生できます。同時再生数とか使用可能なファイルタイプとか細かいところは不明ですが、そこそこの量が同時に出せるみたいです。
注意点としてSimpleAudioEngineはCocosDenshionを使用しています。CocosDenshionのライセンスはcocos2dと独立しており、こちらは年間2500ドル以上の利益が出ている場合には500ドルのライセンス料を徴収するとかなんとかそういう条項があります。(http://www.cocos2d-iphone.org/wiki/doku.php/cocosdenshion:licenseを参照)


今はこのcocos2dの上にどのような構造でアプリを組んでやろうかとか考えてます。・・・あー、こんなこと考えてるからいつまで経っても本題のアプリが完成しないんだー ><

2009年8月7日金曜日

cocos2d for iPhone Project Template v0.8 真似して作ってみました



cocos2d導入キット(http://d.hatena.ne.jp/Seasons/20090511/1241990196)としてid:Seasonsさんが公開されているキットを元に、私もcocos2d用のプロジェクトテンプレートを作ってみることにしました。id:Seasonsさん、すばらしいキットをありがとうございます!

今回の作業にあたり参考にしたページはこちら。
http://d.hatena.ne.jp/griffin-stewie/20090315/p1

作成したテンプレートはgitに公開いたしましたので、よろしければ使ってみてください。
http://github.com/akisute/cocos2d-xcode-template/tree/master


■インストール方法
downloadタブから0.8をダウンロードしてきて、解凍したファイルを以下のパスに配置してください。
~/Library/Application Support/Developer/Shared/Xcode/Project Templates
配置後、.gitと.gitignoreファイルを削除してください。削除しないと後からテンプレを使って新しいプロジェクトを作ったときに、これらのファイルがコピーされてしまいgitを使おうとしたときに問題が発生する可能性があります。


■テンプレートの内容
id:Seasonsさんが公開されている0.8beta用のテンプレートを元に、一部自分の気になった箇所を自分好みに修正しました。また、使用するcocos2dのバージョンを0.8betaから0.8リリース版に変更しました。一応ビルドして画面が出るところまでは確認しています。ただし、全機能をテストしたわけではないので、一部不具合があるかもしれません!
また注意点として、簡素化のため元のcocos2dや外部ライブラリに付随していたREADMEやドキュメント、LICENSEファイルなどをすべて削除してしまっています。おそらくは大丈夫だと思いますが、ライセンス的に問題が発生するかもしれません。大変申し訳ありませんが、このテンプレートを利用した際に生じる一切の不具合について当方では責任を負いきれませんのでご了承ください。


■id:Seasonsさんのテンプレートから変更したところ一覧
  1. 使用するcocos2dのバージョンを0.8リリース版にした。
  2. プロジェクトのグループ構成およびディレクトリ構成を変更した。この変更により、本来システムが利用する/Developer/Platforms/iPhoneOS.platform/Developer/Library/Xcode/Project Templates/Application以下ではなく、ユーザーのライブラリである~/Library/Application Support/Developer/Shared/Xcode/Project Templates以下にテンプレートを配置しても動作するようになった。
  3. MenuSceneとGameSceneが最初のテンプレとして用意されていたのを統廃合し、MainSceneひとつだけにした。
  4. ビルドの設定を必要に応じて変更し、またGCC_PREPROCESSOR_DEFINITIONSにDEBUGを追加した。これにより最初からデバッグビルド時にCCLOGマクロが正しく機能する。
  5. ソースコードのインデントがまちまちになっていたのを、すべてApple式のインデントに修正。
  6. ソースコード中から日本語コメントをすべて除去し英語コメントに置換。
  7. 一部使用されていたdepreciatedメソッドを除去。[[Director sharedDirector ] setDeviceOrientation:CCDeviceOrientationLandscapeRight];を使うようにした。


■思わぬ収穫
この作業によってXcodeの仕組みとテンプレートの作り方、ビルドの仕方などにかなり詳しくなることができました。たとえば・・・
  • Xcodeのテンプレートファイルは単なる普通のXcodeプロジェクトと何ら変わらない。そのままビルドして実行することもできる。
    唯一異なる点が、xcodeprojバンドルの中に、TemplateIcon.icnsとTemplateInfo.plistというファイルが存在し、これらを変更することでテンプレートとしての設定を変更することが出来る点。
  • libhogehoge.a(静的ライブラリ?)の作り方。ターゲットに新規ターゲットを追加して、必要なソースをぽいぽい投げ込むだけ。antでbuild.xmlを書くより簡単。
  • ___PROJECTNAMEASIDENTIFIER___.pchの配置パスを変更したときは、ターゲットのビルド設定のPrefix Headerの値を書き換える必要がある
  • 同様に、___PROJECTNAMEASIDENTIFIER___-Info.plistのパスを変更したときも、ターゲットのビルド設定のInfo.plistファイルの値を書き換える必要がある
  • main.mは何処に置いておいても大丈夫らしい

ということで、Xcodeプロジェクトのテンプレートを作成するのは凄く勉強になります。皆さんも一度自分好みのテンプレートを作成してみてはいかがでしょうか?

2009年8月4日火曜日

cocos2d for iPhoneをためしてみました



YourTurnが一段落したので、今度は前々から一度やってみたかったゲームにチャレンジしてみようと思い、cocos2d for iPhone(http://code.google.com/p/cocos2d-iphone/)を使い始めました。cocos2d for iPhoneとは、iPhone上で簡単に2Dのゲームを作成するためのフレームワークです。FPS管理、アニメーション、パーティクル、シーンの管理およびアニメーション付きの切り替え、メニュー、タッチおよび加速度イベントの管理など、ゲームに必要な要素をほぼすべて網羅してくれています。さらにオプションとしてBGMやサウンドエフェクトの管理と、2D物理エンジンも用意されており、まさに至れり尽くせりといった感じです。

まずは手始めにチュートリアルをやってから、Tic Tac Toe(いわゆるタダのマルバツゲーム)を作ってみました。
ソース全体 http://github.com/akisute/Cocos2DTest/tree/master
ヘッダ部分のみ http://gist.github.com/160244
実装部分のみ http://gist.github.com/160246

この程度の内容のソースでパーティクルも作れるし音も鳴らせるしで、本当に簡単です。ここまで簡単だとRPGツクールより簡単かもしれませんw
今までゲームプログラミングの経験が全然無い人のとっかかり用としては最適ではないでしょうか?