CALayer を使うと良い場面は以下のような場合です。
- 画像を大量に描画する必要がある
- 画像を高速に描画する必要がある
- 画像を高速に変形・移動する必要がある
- CGContextDrawImage を今使っている箇所がある
■実際に描画してみる
まず最初に
<QuartsCore/QuartsCore.h>
をインポートします。 QuartzCore.framework をプロジェクトに追加するのも忘れないようにしましょう。準備ができたので描画します。 CALayer.contents プロパティに CGImageRef を渡すと後は全部勝手にやってくれます。簡単でしょ?
- (void)viewDidLoad { // UIImage* 型のプロパティ self.image があると仮定して・・・ CALayer *l = [CALayer layer]; l.contents = self.image.CGImage; l.position = CGPointMake(255, 255) // l.position はデフォルトではレイヤー中央の座標になります [self.view.layer addSubLayer:l]; }CGContextDrawRect のような Core Graphics (Quartz) の関数を使用すると、座標系が左下基準になるため、 UIImage を描画する際にコンテキストの上下を反転してやらないと画像が上下反対に表示されてしまう問題がありますが、 CALayer はこの座標系の差異も勝手に考慮に入れてくれるので、 UIImage の CGImage プロパティをそのまま渡すだけでよく、ラクチンです。
■アニメーションしてみる
もともと CALayer は Core Animation フレームワークのクラスですから、当然アニメーションにも対応しています。といいますか、何もしないでそのまま CALayer のプロパティを変えると勝手にアニメーションします。 http://developer.apple.com/iphone/library/documentation/Cocoa/Conceptual/CoreAnimation_guide/Articles/AnimatingLayers.html の Animation > Implicit Animation あたりに記載されている内容がそれです。
// 既にこの l が addSubLayer されている場合、 // これだけで勝手にアニメーションします l.transform = CGAffineTransformCreateScale(1.1, 1.1);が、ときどきこのアニメーションが邪魔になる場合があります。そんなときは
// CATransaction というクラスを使用して, 一時的にレイヤーのアニメーションを切ります [CATransaction begin]; [CATransaction setValue:(id)kCFBooleanTrue forKey:kCATransactionDisableActions]; [aLayer removeFromSuperlayer]; [CATransaction commit];
// CATransaction というクラスを使用して, 一時的にレイヤーのアニメーションの時間を変化させます [CATransaction begin]; [CATransaction setValue:[NSNumber numberWithFloat:10.0f] forKey:kCATransactionAnimationDuration]; theLayer.zPosition=200.0; theLayer.opacity=0.0; [CATransaction commit];こんな具合でアニメーションを調整できます。
■まとめ
たったのこれだけで画面上に高速でアニメーションもできる画像を描画することができます。お絵かきソフトなどで、画面上にユーザーが任意の画像を挿入できるようにしたい、と言ったときに大変役立ちますのでおすすめです。是非試してみてください。