- UnityのiOSアプリビルド設定で、画面方向を横向き(Landscape Left/Landscape Right)のいずれかのみに設定している。
- Pluginなどを経由してGame Centerを使用している。またはiAdやUIImagePickerなどのiOSが提供する特定のView Controllerを使用している。
- iOS 6を搭載したiPhone/iPod Touch上で動作させる(iPadは大丈夫)。
http://developer.coronalabs.com/forum/2012/09/17/ios-6-orientation-crash
@pigeon6 こないだのUnityで回転で吹っ飛ぶ理由がわかりました! Game Centerみたいっす。 developer.coronalabs.com/forum/2012/09/…
— akisute (@akisutesama) September 24, 2012
@akisutesama ありがとうございます。supportedInterfaceOrientationsForWindow/shouldAutorotate のまわりの対応ということなら対応中です。3.5.6で直すつもりみたい。
— Hiroki Omae (@pigeon6) September 25, 2012
すでにUnity側で問題は把握しているようで、現在修正版の3.5.6を用意してくださっているようなので、続報を待ちましょう。・・・といっても、すでにUnity 3.5.5以下でビルドされたiOSアプリをリリースしていて、しかもAsset Bundleを使用していたりすると、Asset Bundle間の後方互換性問題のためかなり厄介なことになると思われます。最悪過去のバージョンのサポートをすべて切る必要が出てくるかもしれません。
さて、ここからは技術話の余談です。
このクラッシュ問題なのですが、原因はiOS 6で変更になった画面回転(Auto Rotation)APIにあると思われます。iOS 6からはなんとこれまで画面回転に使用されていた
UIViewController shouldAutorotateToInterfaceOrientation:が完全に廃止になっており、基本的には全く呼び出されないようになってしまっています。その代わりにより体型だった画面回転の仕組みが導入されています。iOS 6からの画面回転は、「アプリが対応する画面方向」と「各View Controllerが対応する画面方向」の2つによって画面の回転する方向が決定されるという仕組みになっています。
ここで、アプリが対応する画面方向は以下のように決定されます。
以下優先順位順に、 1. UIApplicationDelegate application:supportedInterfaceOrientationsForWindow: が返す向き。iOS 6以降のみ。 2. UIApplication supportedInterfaceOrientationsForWindow: が返す向き。iOS 6以降のみ。 3. Info.plist で指定されている UIInterfaceOrientation の向き。各View Controllerが対応する画面方向は以下のように決定されます。
各ViewControllerが supportedInterfaceOrientations を実装しているなら、それが返す向き。 していないならば、 iPhoneだと UIInterfaceOrientationMaskAllButUpsideDown iPadだと UIInterfaceOrientationMaskAllこの2つの積集合をとって、両方が一致した向きに画面回転が行われる仕組みになっています。
では、ここで両者が全く一致しない場合はどうなるでしょう?答えは簡単でクラッシュします。ワオ。素敵。
それを踏まえると、今回の問題でクラッシュしてしまう仕組みはこう考えられます。
- Unity 3.5.5以下が書き出すiOSアプリは当然ながらiOS 6に完全対応していない。
- Game Centerなど、Appleが提供しているUIコンポーネントは全てiOS 6の画面回転に対応しているが、それらのうち幾つかのものはiPhoneだと縦向き画面にしか対応していないものがある(iPadは基本縦横どちらでも表示できるように対応する必要があるとされているため、無事のようです)。
- Unityが書きだしたアプリは横向き画面にしか対応していないのに、上記のView Controllerは縦向きにしか対応していないと言い出すので、クラッシュする。
ちなみに対応策としては、アプリ自体は縦方向にも横方向にも対応しているというふうにapplication:supportedInterfaceOrientationsForWindow:メソッドを使って値を返すようにした上で、コンテンツを表示するUIViewをUIViewControllerに管理させるようにして、UIViewControllerのsupportedInterfaceOrientationsで横向き画面の値だけを返すようにするといいかんじになると思います。しかしながらiOS 5/6両方で上手く回る画面は結構大変そうです。