弊社のUnityプロジェクトではUnity Asset Serverを使ってソースコードやアセットの管理を行なっているのですが、
以前ブログに書いた通りこのUnity Asset Serverさんは標準でブランチもなければタグもサポートしていないというCVS以下の素敵なシロモノです。しかしながらやはり開発のニーズ上、継続的に開発するためにはブランチやタグが必要になってきます。そこでUnity Asset Serverを使っていかにしてブランチやタグを運用するかという方法を考えてやってみましたので共有いたします。
■基本方針
基本方針は要するにSVNのやり方をパクります。すなわち、
- タグやブランチはリポジトリのコピーとして表現する
- リベースやマージは気合でなんとかする
以上二点です。
さてリポジトリのコピーですが、一応Unity Asset Serverではリポジトリのコピーの作成が可能になっています。
こちらをクリックしてリポジトリをコピーしてください。注意点としてはこのリポジトリコピーは他のユーザーが一人でもAsset Serverに接続しているとコピーが出来ないので、社内に呼びかけて全員のUnityをシャットダウンするなり何なりしてください。誰が接続しているか特定したい場合はUnity Asset Serverが動いているサーバで
ps aux | grep unity
とか叩けばなんとなくわかります。
■タグを付けたい
これは簡単です。Asset Serverに接続して、タグが付けたいバージョンがヒストリの先頭にある状態で、先述したリポジトリのコピーを行います。あとはコピーしたリポジトリに触らないようにすればタグの完成です。
注意点として、タグが付けたいバージョンがヒストリの奥のほうにあると基本的には綺麗にタグが切れません。そのようなコミットをする前にタグを切ってください。
■ブランチを切りたい
これもまだ簡単です。Asset Serverに接続して、ブランチの根っこにしたいバージョンがヒストリの先頭にある状態で、先述したリポジトリのコピーを行います。あとはこちらのリポジトリに作業者全員が接続先を切り替えて、新しいコミットを重ねていけば良いです。
注意点として、タグと同様に例によってバージョンがヒストリの奥のほうにあると綺麗にブランチが切れず苦労することになりますので、コミットの重ね方には最新の注意を払う必要があります。
それから各作業者がブランチを切り替える際の手順にも注意する必要があります。
- Asset Serverに接続してdisplayを選択。
- 新しいブランチとなるリポジトリを選択してconnect。
- リポジトリの切り替えが終わったらupdateを行う。
- マージするかどうか聞かれたら、ブランチの切り替えなので、すべてDiscard my changesを選択すること。
■ブランチをリベースしたい
ここからがちょっとした地獄の始まりです。まずはリベースから。例として1.0.1ブランチのブランチ元である1.0.0をリベースする手順を示します。
- Asset Serverに接続して、リベース元となるブランチ (1.0.0) にconnect。
- リポジトリの切り替えが終わったらupdateを行う。
- マージするかどうか聞かれたら、ブランチの切り替えなので、すべてDiscard my changesを選択すること。
- Asset Serverに接続して、リベース先となるブランチ (1.0.1) にconnect。
- リポジトリの切り替えが終わったらupdateを行う。
- マージするかどうか聞かれたら、リベース元のコードをすべて新しい接続先のブランチに上書きしたいという処理になるので、ソースコードとシェーダーコードについてはMergeを、その他のシーン、プレファブ、テクスチャ、モデル、音などはすべてIgnore server changesを選択する。
- このままだとなぜかコードは変更されているのに変更差分をUnityが認識しない悲しい状態になるので、メニューからAssets > Reimport allを選択して変更差分をUnityに認識させる。
- マージに失敗したコードおよびシーン、プレファブ、テクスチャ、モデル、音などを手でマージする。
- コミットして完了。
これで何とかリベースっぽいことができるようになります。
■ブランチをマージしたい
ブランチのマージは単にリベースの逆をやるだけです。例として1.0.1ブランチをmasterにマージする手順を示します。
- Asset Serverに接続して、マージ元となるブランチ (1.0.1) にconnect。
- リポジトリの切り替えが終わったらupdateを行う。
- マージするかどうか聞かれたら、ブランチの切り替えなので、すべてDiscard my changesを選択すること。
- Asset Serverに接続して、マージ先となるブランチ (master) にconnect。
- リポジトリの切り替えが終わったらupdateを行う。
- マージするかどうか聞かれたら、マージ元のコードをすべて新しい接続先のブランチに上書きしたいという処理になるので、ソースコードとシェーダーコードについてはMergeを、その他のシーン、プレファブ、テクスチャやモデルや音などはすべてIgnore server changesを選択する。
- このままだとなぜかコードは変更されているのに変更差分をUnityが認識しない悲しい状態になるので、メニューからAssets > Reimport allを選択して変更差分をUnityに認識させる。
- マージに失敗したコードおよびシーン、プレファブ、テクスチャ、モデル、音などを手でマージする。
- コミットして完了。
見ての通り、リベースとほとんど同じですね。