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2011年2月9日水曜日

UITableView の cell の中に UITextView を配置したとき発生する問題とその対処方法

たとえば Twitter クライアントや SMS クライアントのように、短い文章を入力させるような画面を作りたいとき, Grouped Style な UITableView の cell の中に UITextView を配置して画面を作る事が良くあるかと思います。通常、この作りでほとんど問題はありませんが、特定の条件下で問題が発生することがわかりましたので、回避策をメモしておきます。


■問題

この問題が発生するのは、以下の条件を満たしたときです。
  1. UITableView の cell の中に UITextView を配置する。
  2. UITextView に、縦スクロールが発生するぐらい長い文字列を入力する。
  3. UITextView の中ほどにカーソルを移動する。
  4. UITableView と UITextView の scrollEnabled プロパティを NO に設定する。
  5. UITextView の text プロパティを変更する。
すると, UITextView および UITableView の scrollEnabled プロパティを NO に設定しているにもかかわらず、勝手に UITableView がスクロールを起こしてしまいます。 UITextView の text プロパティを書き換えたら勝手に UITextView が一番下までスクロールしてしまうのはデフォルトの挙動であり、これは問題ありません. UITextView を単品で使っているときは, scrollEnabled プロパティを NO に設定することでスクロールを発生させずに text を書き換えることが可能なのですが, UITextView を UITableView の中に含めたときのみ, scrollEnabled プロパティが無視されてしまい、この問題が発生してしまうようです。

カスタムキーボードを用意したり、本文中のURLを短縮して差し替えたりなど、結構 UITextView の text プロパティを直接書き換えたい要件があったりするので、このままでは困ります。


■解決方法

そこで、相当な荒技ですが、以下のようにして解決を図ることが可能です。
  1. UITableView の cell の中に UITextView を配置する。
  2. UITextView をいったん removeFromSuperview する。
  3. UITextView をいったん UITableView 以外の場所に addSubview する。
    • UIWindow の直下などがおすすめ。
  4. UITextView の scrollEnabled プロパティを NO に設定する。
  5. UITextView の text プロパティを変更する。
  6. UITextView の scrollEnabled プロパティを YES に設定する。
  7. UITextView を元の view に addSubview する。
  8. UITextView を first responder にする。
コードにすると以下のようになります:
UIView *parentView = textView.superview;
[self.view.window addSubview:textView];
textView.scrollEnabled = NO;

textView.text = [currentText stringByReplacingCharactersInRange:selectedRange withString:shrunkenURLString];
textView.selectedRange = NSMakeRange(selectedRange.location + [shrunkenURLString length], 0);

textView.scrollEnabled = YES;
[parentView addSubview:textView];
[textView becomeFirstResponder];
こうすることで, UITableView が勝手にスクロールしてしまう問題を回避することが可能です。

2010年11月16日火曜日

iOS で正規表現を使う (3.0, 3.1, 3.2, 4.0)

iPhone / iPad アプリで正規表現を使いたいときはどうするのか調べてみました。


■iOS 4.0以上

NSRegularExpression があるのでそれを使えば万事解決です。


■iOS 3.2

http://blog.livedoor.jp/pnfhy316/archives/277806.html
こちらのブログでご紹介されているとおり、NSString rangeOfString:options: で NSRegularExpressionSearch を指定するのが楽です。

正規表現のグループ参照はできませんけれど、まぁしょうがないですかね。


■iOS 3.1, 3.0

http://d.hatena.ne.jp/KishikawaKatsumi/20081031/1225463896
こちらのブログでご紹介されているとおり、ライブラリを使うのがよいようです。

または最近調べてわかったのですが、 NSPredicate を以下のように使うと正規表現によるマッチングが可能になる模様です。
NSString *path = @"/path/to/img/img10001.png";
NSPredicate *predicate = [NSPredicate predicateWithFormat:@"%@ matches '.*/img[0-9]{5}\\.png'", path];
BOOL matched = [predicate evaluateWithObject:nil];
キモは NSPredicate の format として matches という構文が使えることと、その中で正規表現が使用できるところですかね。実機の iOS 3.X で試したわけではないのですが、 NSPredicate 自体が iOS3.0 から使用可能になっていることと、 NSPredicate format 関連のドキュメントを見ても特に利用制限とかは書いていなかったので、普通に3.0から使えるんじゃないかと思ってます。もしよろしければ動作報告いただけるとうれしいです。


■iOS 2.X

iOS界のIEだと思って忘れましょう。お客さんに「頼むから対応してくれ」と言われても突っぱねる(すでに全体の1%以下ぐらいのはず)のがベストです。

2010年8月15日日曜日

CALayer を使って UIImage を描画する

UIImage を高速で描画する必要がある案件に遭遇したため、 CALayer を使ってみました。 CALayer と聞くとなにやら難しい感じがしますが、実際に使ってみると非常に簡単で高速です。

CALayer を使うと良い場面は以下のような場合です。
  • 画像を大量に描画する必要がある
  • 画像を高速に描画する必要がある
  • 画像を高速に変形・移動する必要がある
  • CGContextDrawImage を今使っている箇所がある
とくに変形に対して非常に強いです。 CGContextDrawImage で変形後の UIImage を再度描画し直したりするのに比べると、 CALayer の変形は格段に高速に動作します。


■実際に描画してみる

まず最初に <QuartsCore/QuartsCore.h> をインポートします。 QuartzCore.framework をプロジェクトに追加するのも忘れないようにしましょう。

準備ができたので描画します。 CALayer.contents プロパティに CGImageRef を渡すと後は全部勝手にやってくれます。簡単でしょ?
- (void)viewDidLoad {
    // UIImage* 型のプロパティ self.image があると仮定して・・・
    CALayer *l = [CALayer layer];
    l.contents = self.image.CGImage;
    l.position = CGPointMake(255, 255) // l.position はデフォルトではレイヤー中央の座標になります
    [self.view.layer addSubLayer:l];
}
CGContextDrawRect のような Core Graphics (Quartz) の関数を使用すると、座標系が左下基準になるため、 UIImage を描画する際にコンテキストの上下を反転してやらないと画像が上下反対に表示されてしまう問題がありますが、 CALayer はこの座標系の差異も勝手に考慮に入れてくれるので、 UIImage の CGImage プロパティをそのまま渡すだけでよく、ラクチンです。


■アニメーションしてみる

もともと CALayer は Core Animation フレームワークのクラスですから、当然アニメーションにも対応しています。といいますか、何もしないでそのまま CALayer のプロパティを変えると勝手にアニメーションします。 http://developer.apple.com/iphone/library/documentation/Cocoa/Conceptual/CoreAnimation_guide/Articles/AnimatingLayers.html の Animation > Implicit Animation あたりに記載されている内容がそれです。
// 既にこの l が addSubLayer されている場合、
// これだけで勝手にアニメーションします
l.transform = CGAffineTransformCreateScale(1.1, 1.1);
が、ときどきこのアニメーションが邪魔になる場合があります。そんなときは
// CATransaction というクラスを使用して, 一時的にレイヤーのアニメーションを切ります
[CATransaction begin];
[CATransaction setValue:(id)kCFBooleanTrue
                 forKey:kCATransactionDisableActions];
[aLayer removeFromSuperlayer];
[CATransaction commit];
// CATransaction というクラスを使用して, 一時的にレイヤーのアニメーションの時間を変化させます
[CATransaction begin];
[CATransaction setValue:[NSNumber numberWithFloat:10.0f]
                 forKey:kCATransactionAnimationDuration];
theLayer.zPosition=200.0;
theLayer.opacity=0.0;
[CATransaction commit];
こんな具合でアニメーションを調整できます。


■まとめ

たったのこれだけで画面上に高速でアニメーションもできる画像を描画することができます。お絵かきソフトなどで、画面上にユーザーが任意の画像を挿入できるようにしたい、と言ったときに大変役立ちますのでおすすめです。是非試してみてください。

2010年7月7日水曜日

Core Graphics (Quartz) のみで日本語文字列を描画するライブラリのヘッダファイルを書いてみた

とある理由で UIKit の描画機能が使えず、 Core Graphics のみで文字列の描画処理を行わなければならないことになってしまったので、適当に調べてみました。


■ことのはじめ

Core Graphics の機能だけで日本語の文字列を描画する方法については、既に先人の方々が調べて記事にまとめてくださっていたので、そちらを見ていただければ大丈夫です。
http://iphone-dev.g.hatena.ne.jp/ktakayama/20100129
http://d.hatena.ne.jp/r_kurain/20100316
基本的にはこちらで紹介されている方法に従って進めていけば困ることはありません。ただし、描画した文字が上下反対になることがありますので、 CGContextSetTextMatrix を使う箇所を調整したりする必要があるかも。

で、最大の問題になるのがこれらの記事で紹介されている CGFontGetGlyphsForUnichars と呼ばれる関数です。この関数を使えば楽に日本語文字列を文字化けすることなく描画することができるのですが、あろうことかこの関数はプライベートAPIであり、使うとリジェクトされてしまうらしいです。ということで別の作戦をとらなければなりません。

上記の記事にいろいろな対処方法が載っているのですが、私は一番単純に
http://www.mexircus.com/codes/GlyphDrawing.mm
というライブラリを自分のアプリに組み込む方法を試してみることにしました。この方法を使えば、 CGFontGetGlyphsForUnichars でまず作って動くようにしてから、 CMFontGetGlyphsForUnichars と書き換えるだけでそのまま動作するので楽です。

問題はこのライブラリ、mmファイルしか用意されていないのでそのままではうまく使えません。適当にヘッダファイルを用意してやる必要があります。


■と言うわけで書いたもの

と言うわけで GlyphDrawing.h を書いてみました。
http://gist.github.com/466297

ライセンスは元の GlyphDrawing.mm に準じますが、 GlyphDrawing.mm のライセンスが不明なので、不安ならばまず作者さん (http://mexircus.com/blog/) に一言聞いてみるのがいいと思います。


■使い方
  1. http://gist.github.com/466297http://www.mexircus.com/codes/GlyphDrawing.mm をダウンロードします。
  2. GlyphDrawing.mm のインポートを以下のように書き換えます:
    //#import <Foundation/Foundation.h>
    #import "GlyphDrawing.h"
  3. GlyphDrawing.hGlyphDrawing.mm をプロジェクトに追加してビルドします。
  4. CGFontGetGlyphsForUnichars の代わりに CMFontGetGlyphsForUnichars を呼びだせばOKです。


■実際に使ったコードの例
NSString *message = @"本日は快晴なり";

// フォントを設定
// ついでにmessageのサイズも取得
// ただしsizeWithFontは UIGraphics の機能なので、本当に Core Graphics だけで描画したいならここで使ってはいけません
UIFont *font = [UIFont fontWithName:@"HiraKakuProN-W6" size:32.0];
CGRect messageRect = [message sizeWithFont:font];
CGFontRef fontRef = CGFontCreateWithFontName((CFStringRef)font.fontName);
CGContextSetFont(c, fontRef);
CGContextSetFontSize(c, font.pointSize);

// Glyphを作成
size_t length = [message length];
CGGlyph glyphs[length];
UniChar chars[length];
[message getCharacters:chars range:NSMakeRange(0, length)];
CMFontGetGlyphsForUnichars(fontRef, chars, glyphs, length);

// 文字列が上下反対になるのを防止する
CGAffineTransform transform = CGAffineTransformMakeScale(1.0, -1.0);
CGContextSetTextMatrix(c, transform);
CGContextTranslateCTM(c, 0, messageRect.size.height/2);

// 描画
CGFloat x = 100.0f;
CGFloat y = 100.0f;
CGContextShowGlyphsAtPoint(c, x, y, glyphs, length);

2010年6月26日土曜日

別スレッドで NSURLConnection を使うときのメモ

http://twitter.com/griffin_stewie/status/17022582070

@griffin_stewieさんにご指摘いただいたので調べてみました。

別スレッドでNSURLConnectionを使おうとすると、そのままではNSRunLoopのモードの問題なのか、上手い具合にデータを受信することが出来ません。私はメインスレッドでNSURLConnectionを動かすようにして難を逃れたのですが、それ以外にも教えていただいた方法を用いて、以下のように別スレッドのNSRunLoopのモードを変更して対応すると良いみたいです。
    NSURLRequest *theRequest = [NSURLRequest requestWithURL:iTunesURL];
// create the connection with the request and start loading the data
rssConnection = [[NSURLConnection alloc] initWithRequest:theRequest delegate:self];
// This creates a context for "push" parsing in which chunks of data that are not "well balanced" can be passed
// to the context for streaming parsing. The handler structure defined above will be used for all the parsing.
// The second argument, self, will be passed as user data to each of the SAX handlers. The last three arguments
// are left blank to avoid creating a tree in memory.
context = xmlCreatePushParserCtxt(&simpleSAXHandlerStruct, self, NULL, 0, NULL);
if (rssConnection != nil) {
do {
[[NSRunLoop currentRunLoop] runMode:NSDefaultRunLoopMode beforeDate:[NSDate distantFuture]];
} while (!done);
}
runMode:beforeDateを使うわけですね。なるほど。

2010年6月19日土曜日

NSOperation を使って外部 API から非同期に結果を取得してみる

iPhone / iPad のアプリを作っていると、頻繁に登場するのが「外部 API を HTTP 経由で実行して結果を XML / JSON で取得し、それを解析してモデルクラスに変換してデータ構造に突っ込む」パターンです。当然たくさんの先人の皆様がすでに効率的なライブラリを作成されているのですが、あえて私も車輪の再発明に挑戦してみました。今回使用したのは NSOperation クラスです。 NSURLConnection クラスとデリゲートを使うだけでも簡単に非同期通信を実現することができるのですが、さらに NSOperation クラスと NSOperationQueue を使うことでさらにタスク間の依存関係を簡単に設定できたり、タスクの並列度を簡単に制御したりできそうなので、挑戦してみました。

2010/12/29追加: 発展版をASIHTTPRequestを使って作成してみました。


■実装コードと使い方

http://gist.github.com/441620

これが基底クラスとなる FetchOperation クラスです。使用する際にはこのクラスのサブクラスを作成して、以下のように parseResponseBody: メソッドをオーバーライドします。
@interface FetchMyAPI : FetchOperation
@end

@implementation FetchMyAPI
- (void)parseResponseBody:(NSData *)bodyData {
  NSString *string = [[[NSString alloc] initWithBytes:[bodyData bytes] length:[bodyData length] encoding:NSUTF8Encoding] autorelease];
  JSON *json = [MYJSONLibrary jsonFromString:string];
  // json を解析してモデルクラスに突っ込むなど・・・
  // parseResponseBody: メソッドはtry-catchで囲まれており、さらに Core Data Managed Object Context に対して lock をかけています
}
@end
あとはこのサブクラスのインスタンスを生成して、requet プロパティに任意の NSURLRequest を渡して、普通の NSOperation を使うときのように KVO を使って状態を監視すればOK。
FetchOperation *operation = [[[FetchMYAPI alloc] init] autorelease];
operation.request = myAPIRequest;
[operation addObserver:self forKeyPath:@"isCancelled" options:NSKeyValueObservingOptionNew|NSKeyValueObservingOptionOld context:NULL];
[operation addObserver:self forKeyPath:@"isFinished" options:NSKeyValueObservingOptionNew|NSKeyValueObservingOptionOld context:NULL];
[appDelegate.operationQueue addOperation:operation];
もちろん NSOperation のサブクラスなので、 FetchOperation 同士に依存関係をつけるのも簡単です。たとえばログインAPIを実行した後にゲットユーザーAPIを実行したい場合には、
[getUserOperation addDependency:loginAPIOperation];
などとして、おなじ NSOperationQueue に突っ込んでやるだけで、自動的にログインAPI→ゲットユーザーAPIの順に並列実行してくれます。超便利です。

上記コードは基本的にご自由にお使い頂いて結構です。ただし、そのままコピペしても NSOperationQueue がなかったり Core Data Managed Object Context がなかったりで、まず間違いなく動かないと思います。適当にご自身の環境に合わせて調整していただければ幸いです。テストは結構行っているので多分大丈夫だと思うのですが、バグとか残っているかもしれません。何かあっても責任は持てません、ごめんなさい><


■NSOperation クラスのサブクラスの作り方

さてここからは実装のお話です。基本的には iPhone SDK についてくるリファレンスの NSOperation のページに全ての注意事項が載っているため、こちらを注意深く読んで実装すれば難しいことはありません(全部英語ですが><)。

最初に覚えておくべき知識として、 NSOperation クラスには二通りの実行モードが有ります。 以下、iPhone OS 3以下での挙動です。 iOS 4以降は挙動が変わり、Mac OS X 10.6以降と同じ挙動になります。
  • 非並列実行モード
    • isConcurrent プロパティが NO を返すとき、またはiOS 4以降は isConcurrent プロパティの値に関係なく常にこちらのモードになります
    • NSOperationQueue クラスが自動的に新スレッドを1本作って、そこで実行してくれるので、なにも考えなくても並列処理になります
    • main メソッドの実行が完了したら自動的に処理が完了したとみなされます
  • 並列実行モード
    • isConcurrent プロパティが YES を返すとき
    • NSOperationQueue クラスは自分のいるスレッドで NSOperation を実行します。そのため、 NSOperation 側で並列処理を行わないとスレッドが固まります
    • main メソッドの実行が完了しても処理完了とはみなされません。自分で明示的に処理が終わったことを通知できるようにする必要があります
簡単に実装できるのは非並列実行モードなのですが、これで実装するためには NSURLConnection を同期モードで実行する必要があります。で、困ったことに NSURLConnection の同期モードはひどい実装で処理も遅ければメモリもムダ食いするしタイムアウトの時間すら自分で決められないという有様なので、まったく使えません。そのため今回はやむを得ず並列実行モードを頑張って実装しました。

並列実行モードを自分で実装する手順は以下の通り。

まず何はなくとも isConcurrent で YES を返すようにします。
- (BOOL)isConcurrent {
    return YES;
}
続いて以下の4つの状態通知メソッドを実装します。これはコピペでOKですが、ready, executing, finished, cancelledは自分で宣言してください。
- (void)setReady:(BOOL)b {
        if (ready != b) {
                [self willChangeValueForKey:@"isReady"];
                ready = b;
                [self didChangeValueForKey:@"isReady"];
        }
}
- (void)setExecuting:(BOOL)b {
        if (executing != b) {
                [self willChangeValueForKey:@"isExecuting"];
                executing = b;
                [self didChangeValueForKey:@"isExecuting"];
        }
}
- (void)setFinished:(BOOL)b {
        if (finished != b) {
                [self willChangeValueForKey:@"isFinished"];
                finished = b;
                [self didChangeValueForKey:@"isFinished"];
        }
}
- (void)setCancelled:(BOOL)b {
        if (cancelled != b) {
                [self willChangeValueForKey:@"isCancelled"];
                cancelled = b;
                [self didChangeValueForKey:@"isCancelled"];
        }
}
次に start メソッドを適当に実装します。
- (void)start {
        // Follows the behavior of NSOperation in Mac OS 10.6 (and iPhone OS 3.0)
        // また、start前にrequestがセットされていない場合にも例外を発生させる
        if (finished || cancelled) {
                [self cancel];
                return;
        }
        if (!ready || executing || !request) {
                @throw NSInvalidArgumentException;
        }

        // ここで適当に事前処理を行う
        // ここは同期実行でいいです、すぐ終わるなら

        // main実行直前に現在の状態をexecutingにする
        [self setReady:NO];
        [self setExecuting:YES];
        [self setFinished:NO];
        [self setCancelled:NO];

        // mainを実行する
        [self main];
}
最後に主処理を main メソッドに書きます。 main メソッド自身か、または main メソッドの大部分は並列実行されるようにしてください。
主処理が完了したら以下のように自身の状態を更新すればOKです:
[self setReady:NO];
[self setExecuting:NO];
[self setFinished:YES];
[self setCancelled:NO];
必要に応じて cancel メソッドも実装します
- (void)cancel {
        // ここで自身の主処理をキャンセルする

        // 現在の状態をcancelにする
        [self setReady:NO];
        [self setExecuting:NO];
        [self setFinished:YES];
        [self setCancelled:YES];
}


■FetchOperationの解説

以下のような順番で処理が進みます。
  1. FetchOperation のオブジェクトが生成される (init)
  2. FetchOperation のオブジェクトが NSOperationQueue に追加される (start)
  3. 並列実行モードで FetchOperation が実行され、 start メソッドが main メソッドを呼び出す (main)
  4. main メソッドの中で NSURLConnection が非同期実行される (main)
  5. NSURLConnection がレスポンスを受け取って、データを受信する (connection:didReceiveResponse:)
  6. NSURLConnection がすべてのデータを受信する (connectionDidFinishLoading:)
  7. NSInvocationOperation クラスを使って受信したデータの解析処理を並列実行する (parseMain:)
  8. parseMain: の終了を監視して、終了し次第 FetchOperation の実行を完了する (observeValueForKeyPath:ofObject:change:context:)
大きく分けると、1〜3が事前準備、4〜6が通信部、7〜8が解析部になっています。7〜8は NSInvocationOperation を使ってお手軽に並列実行していますが、別の NSOperation にしたほうがより良い実装になると思います。現実装のように NSInvocationOperation を使っていると、何かの間違いで FetchOperation 自身に複数のスレッドからのアクセスが発生して状態が壊れてしまう恐れがあります。

isConcurrent プロパティで YES を返すようにしているため、 FetchOperation 自身は NSOperationQueue が置いてあるスレッドと同じスレッドから実行されます。なので、実際に並列実行されるのは NSURLConnection が通信をしている部分と、 parseResponseBody の中だけです。それ以外の部分で重い処理を実行すると思いっきり固まるのでご注意ください。

2010年5月24日月曜日

Core Data では モデルの delete - insert をしない方が良い

最近お仕事で Core Data を頻繁に使っているのですが、ちょっとだけハマったケースをご紹介します。 Core Data ではモデルの delete - insert による更新をしない方が良いようです。


■delete - insert が問題になるケース

たとえば、 Core Data から全く同じ内容をフェッチして表示する二つのUITableViewがあるとします。それぞれ A および B と名付けます。
ここで、 A を表示してから、 B を表示する際に Core Data モデルを delete - insert すると、 A を再度表示した際にアプリケーションがクラッシュします。原因はおそらく、 A で既に読み込まれているモデルを B が削除してしまっているため、 A で既に削除されているモデルをテーブルが表示しようとしてクラッシュしているものだと思われます。 A の viewWillAppear などのタイミングで、再度 Core Data からオブジェクトを取得し直せばこの問題は解決します。

そもそも NSFetchedResultsController を使えばたぶんこの問題は発生しないと思うのですが、いずれにせよ変更があったデータをフェッチしなおさなければならなくなってしまいます。ということで可能な限りプライマリキー項目を設定して update で対応することをお勧めします。ただし update は update で sqlite3 の実行がやたら遅いということが分かっているのでこちらはこちらで別途チューニングが必要です。詳細はまた別エントリーにて。

2010年5月3日月曜日

UTF-8 の文字列の長さを正確に求めるためには Normalize しましょう

Twitterにメッセージを送信する際に、クライアント側でメッセージの長さを判定して画面に表示したいというような要件があると思います。当然、このような場合には入力されたメッセージを取ってきてその長さを求めてやれば良いのですが、どうやら UTF-8 などのマルチバイトな文字コードを使っていると文字列の長さを正確に求めるのが大変なようです。


■何がどう大変なのか

図を書いてみました。「文」が文字数、「b」がバイト数を表しています。 Objective-C の場合は、「文」が ``[NSString length]`` を、「b」が [NSString lengthOfBytesUsingEncoding:NSUTF8StringEncoding] を表します。ほかの言語の場合もそれぞれ相当するメソッドまたは関数が用意されていると思います。



上のケースが一般的な UTF-8 文字列です。この場合、バイト数はマルチバイトになってしまうため実際の文字数(我々人間が見て自然な文字数)とは一致しませんが、その代わり UTF-8 文字数が実際の文字数と一致するため問題なく長さを求めることができます。

面倒なのが下のケース。ウムラウト記号や濁点・半濁点が一文字として入力されてしまっている場合です。通常滅多にこのような文字列に遭遇することはないのですが、まれにこのような文字列を入力させる処理系があるようです。で、この場合はウムラウト記号や濁点・半濁点も一文字として認識されてしまうため、実際の文字数と文字列長判定メソッドが返す文字数が異なってきます。そこまで厳密にしなくてもよいのでは・・・と思ったのですが、なんと Twitter はきちんとこのような場合も自然な文字列の長さを測定して140文字かどうかを判断しているらしいです。


■対策:Normalizeする

このように実際の文字数と UTF-8 上の文字数が異なっている場合には、 Normalize と呼ばれる処理を行って文字を圧縮する必要があります。 Objective-C の場合には以下のようなメソッドが標準で用意されています。
// NFD
– (NSString *)decomposedStringWithCanonicalMapping

// NFKD
– (NSString *)decomposedStringWithCompatibilityMapping

// NFC
– (NSString *)precomposedStringWithCanonicalMapping

// NFKC
– (NSString *)precomposedStringWithCompatibilityMapping
これらのメソッドは、 Unicode 文字列をそれぞれ NFD, NFC, NFKD, NFKC と呼ばれるフォーマットの文字列に変換してくれます。それぞれの文字列がどのような表現を表しているかは、以下のページを参考にしてみてください。英語ですが図説がついてるので非常にわかりやすいです。
http://unicode.org/reports/tr15/
http://homepage1.nifty.com/nomenclator/unicode/normalization.htm

ほかの言語、たとえばPythonやRubyなどでこの機能が提供されているかどうかはわかりません。あしからず・・・><

2010年4月29日木曜日

Three20 の TTPhotoViewController でローカルファイルを扱う際の注意点

Three20 フレームワークを使ってアプリを作成しているときに、ローカルファイルを TTPhotoViewController に読み込ませようとして一部はまってしまったので共有します。


■結論から
  • TTPhotoViewController の中に一部 NSHTTPURLResponse でないと動かないところがあるため、ファイル読み込みでは動作しない
  • @"bundle://filename.jpg"@"documents://filename.jpg" といった記法を用いることで回避可能
  • またはフレームワーク自体を書き換えてしまう

■問題
以下のコードの様に、ファイルスキームのURLを用いて画像を読み込もうとするとエラーになります。
photos = [[NSMutableArray alloc] init];
PhotoBookPhoto *photo;
NSString *imagesDirectoryPath = [[[NSBundle mainBundle] bundlePath] stringByAppendingPathComponent:@"Images"];
NSArray *imagePathes = [[NSFileManager defaultManager] directoryContentsAtPath:imagesDirectoryPath];

for (int i=0; i<imagePathes.count; i++) {
NSString *imagePath = (NSString *)[imagePathes objectAtIndex:i];
imagePath = [imagesDirectoryPath stringByAppendingPathComponent:imagePath];
LOG(@"%d - %@ %@", i, imagePath, [[NSURL fileURLWithPath:imagePath] absoluteString]);
photo = [[[PhotoBookPhoto alloc] initWithURL:[[NSURL fileURLWithPath:imagePath] absoluteString]
smallURL:[[NSURL fileURLWithPath:imagePath] absoluteString]
size:CGSizeMake(960, 640)] autorelease];
photo.photoSource = self;
photo.index = i;
[photos addObject:photo];
}

■原因
TTRequestLoader 中の以下のコードが直接的な原因です。
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
#pragma mark -
#pragma mark NSURLConnectionDelegate


///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
- (void)connection:(NSHTTPURLConnection*)connection didReceiveResponse:(NSHTTPURLResponce*)response {
_response = [response retain];
NSDictionary* headers = [_response allHeaderFields];
本来 NSURLConnectionDelegate のデリゲートメソッドである、 connection:didReceiveResponse:NSURLResponce を引数にとるのですが、何故か NSHTTPURLResponce が直接指定されています。通常はこれでも問題ありませんが、fileスキームのURLは当然HTTPではありませんから、 NSHTTPURLResponse を返しません。従って allHeaderFields の呼び出しでエラーになってしまいます。


■対処法
ということで、この部分のコードを一部書き換えてしまい、 NSURLResponce がきても動作する様にしてしまいました。
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
#pragma mark -
#pragma mark NSURLConnectionDelegate


///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
- (void)connection:(NSURLConnection*)connection didReceiveResponse:(NSURLResponse*)response {
_response = [response retain];
if ([_response isMemberOfClass:NSHTTPURLResponse.class]) {
NSHTTPURLResponse *httpResponse = (NSHTTPURLResponse *)_response;
NSDictionary* headers = [httpResponse allHeaderFields];
int contentLength = [[headers objectForKey:@"Content-Length"] intValue];

// If you hit this assertion it's because a massive file is about to be downloaded.
// If you're sure you want to do this, add the following line to your app delegate startup
// method. Setting the max content length to zero allows anything to go through. If you just
// want to raise the limit, set it to any positive byte size.
// [[TTURLRequestQueue mainQueue] setMaxContentLength:0]
TTDASSERT(0 == _queue.maxContentLength || contentLength <=_queue.maxContentLength);

if (contentLength > _queue.maxContentLength && _queue.maxContentLength) {
TTDCONDITIONLOG(TTDFLAG_URLREQUEST, @"MAX CONTENT LENGTH EXCEEDED (%d) %@",
contentLength, _urlPath);
[self cancel];
}

_responseData = [[NSMutableData alloc] initWithCapacity:contentLength];
} else {
_responseData = [[NSMutableData alloc] initWithCapacity:response.expectedContentLength];
}
}
また、あとから知ったのですが、Three20においては以下のようなURLが使用できるみたいです。 Three20/TTGlobalCorePaths.h にて定義されています。
photo = [[[PhotoBookPhoto alloc] initWithURL:@"bundle://image.png"
smallURL:@"documents://thumbnails/smallImage.png"
size:CGSizeMake(960, 640)] autorelease];
たぶん Three20以外では使用できない記法 なので注意が必要ですが、この方法で読み込むと NSHTTPURLResponce が返却されるためコードを書き換えなくても正常に動作します。 こちらのほうが簡単でThree20の開発チームの人もそうしているのでお勧めです。


■んーでも
そもそもこのThree20、開発者の人(FaceBookアプリを作った人)がiPhoneでのプログラミングを既にやめちゃっていると聞いたのでメンテがどうなるのか不安です。

2010年4月1日木曜日

UIBarButtonItem の見た目を画像にしたいときのテクニック

iPhoneアプリでよく使われる、ナビゲーションバーに配置するボタン UIBarButtonItem の見た目を完全に画像にする時のテクニックです。
参考にしたページはこちら。
http://discussions.apple.com/thread.jspa?threadID=1505647
http://www.iphonedevsdk.com/forum/iphone-sdk-development/13809-uibarbuttonitem-customview-action.html
http://discussions.apple.com/thread.jspa?threadID=1546506&tstart=60


■作戦1:initWithImage
てか、 UIBarButtonItem には initWithImage あるからそれでいいんじゃないか、と思ってさっそく以下のコードを書いてみました。
UIBarButtonItem* buttonItem = [[UIBarButtonItem alloc]
initWithImage:[UIImage imageNamed:@"appstore.png"]
style:UIBarButtonItemStyleBordered
target:self
action:@selector(appstoreAction)];
self.navigationItem.rightBarButtonItem = buttonItem;
するとあら不思議、確かに画像は表示されたのですが、画像の周りにいつものボタンの枠が表示されてしまっています。styleを変更してもうまくいきません。どうやらこれはあくまでいつものボタンの中に画像を表示するだけのメソッドで、ボタンの見た目そのものをそっくりそのまま画像に入れ替える(ボタン画像を作ってさしかえる)用途には使えないようです。


■作戦2:initWithCustomViewとUIImageViewを組み合わせる
それなら initWithCustomView を使って画像を表示させてみましょう。
UIImageView* customView = [[UIImageView alloc] initWithImage:[UIImage imageNamed:@"appstore.png"]];
customView.userInteractionEnabled = YES;
UIBarButtonItem* buttonItem = [[UIBarButtonItem alloc] initWithCustomView:customView];
buttonItem.target = self;
buttonItem.action = @selector(appstoreAction);
self.navigationItem.rightBarButtonItem = buttonItem;
この方法だと、ボタンの縁が消えてappstore.pngがそのまま表示され、見た目は臨み通りの状態に表示させることができたのですが、今度は別の問題が。なんとボタンを押してもアクションが呼びだされません。海外のフォーラムでも同じような問題を抱えている投稿が見受けられました。


■作戦3:initWithCustomViewとUIButtonを組み合わせる
それならということで、カスタムビューを UIImageView から UIButton に変更してみることにしました。
UIButton *customView = [[UIButton alloc] initWithFrame:CGRectMake(0, 0, 95, 33)];
[customView setBackgroundImage:[UIImage imageNamed:@"appstore.png"]
forState:UIControlStateNormal];
[customView addTarget:self action:@selector(appstoreAction) forControlEvents:UIControlEventTouchUpInside];
UIBarButtonItem* buttonItem = [[UIBarButtonItem alloc] initWithCustomView:customView];
self.navigationItem.rightBarButtonItem = buttonItem;
ビルドして試してみると、見た目は作戦2と同様に綺麗に表示され、さらにタップするときちんとアクションが実行されるようになりました!

2009年10月31日土曜日

libHaru on iPhone: Objective-Cでエラーハンドリング



前回記載できなかったエラーハンドリングについて軽くさわってみました。


■libHaruのエラーハンドリング
http://libharu.org/wiki/Documentation/Error_handlingに詳しく書いてあります。要するに、一番最初のPDFドキュメントを生成するところでエラーハンドラ関数を渡したらあとはエラーが発生するたびにその関数が呼び出されるみたいです。
// まずはヘッダファイルの中で
// ユーザーデータ用の構造体の宣言と、エラーハンドラ関数のプロトタイプ宣言をしておく

typedef struct _PDFService_userData {
HPDF_Doc pdf;
PDFService *service;
NSString *filePath;
} PDFService_userData;

// エラーハンドラ関数のシグネチャは常にこうでなければならない
// 関数名は自由に決めて良いが、引数と返り値は決められている
void PDFService_errorHandler(HPDF_STATUS error_no,
HPDF_STATUS detail_no,
void *user_data);
// 注意点として、エラーハンドラ関数はHPDF_Newより前の行で実装しておかなければならない
// (プロトタイプ宣言しておいてもだめみたいです)
void PDFService_errorHandler(HPDF_STATUS error_no,
HPDF_STATUS detail_no,
void *user_data) {
// ユーザーデータを取得する
// C言語の構造体からでもObjective-Cのクラスが取り出せますよ
PDFService_userData *userData = (PDFService_userData *)user_data;
HPDF_Doc pdf = userData->pdf;
PDFService *service = userData->service;
NSString *filePath = userData->filePath;

// エラーハンドリング後、PDF関連の処理を続行したい場合は
// このHPDF_ResetError関数を呼び出す必要がある。
// これを呼び出さないと後続の処理がうまくいかない。
HPDF_ResetError(pdf);

// 逆にエラーハンドリング後、PDF関連の処理をすべて中断したい場合には
// HPDF_Free関数を使ってpdfオブジェクトを解放するとよい。こうすると、以後の
// HPDF関連の関数はすべて何もしないで終了してくれる。ただし、同じpdfオブジェクトを
// 2回HPDF_Freeしてしまうとエラーになるため、HPDF_HasDocを使って制御すること
HPDF_Free(pdf);
}

// あとはPDFドキュメント生成時に関数とユーザーデータを引数として渡す
int main(int argc, char** args) {
PDFService_userData userData;
HPDF_Doc pdf = HPDF_New(PDFService_defaultErrorHandler, &userData);
userData.pdf = pdf;
userData.filePath = @"/var/tmp/hogehoge.pdf";
// 以下省略
}


■CとObjective-Cをつなげる
C言語的にはこれでよいのですが、Objective-C、ひいてはCocoa Touchフレームワーク的にはこういうエラー処理はdelegateにしてしまったほうが便利です。たとえば、PDFファイルを生成するためのObjective-CクラスPDFServiceに、PDFServiceDelegateを持たせて運用してみましょう。libHaruのエラーハンドラ関数を以下のように作ってみます。
void PDFService_defaultErrorHandler(HPDF_STATUS   error_no,
HPDF_STATUS detail_no,
void *user_data)
{
// ユーザーデータを展開
PDFService_userData *userData = (PDFService_userData *)user_data;
HPDF_Doc pdf = userData->pdf;
PDFService *service = userData->service;
NSString *filePath = userData->filePath;

// 以後のPDF作成処理をすべてストップする
HPDF_Free(pdf);

// Delegate呼び出し
if (service.delegate) {
[service.delegate service:service
didFailedCreatingPDFFile:filePath
errorNo:error_no
detailNo:detail_no];
}
}
あとはこのDelegateを適当なViewControllerなどに準拠させて、
#pragma mark -
#pragma mark delegate method
- (void)service:(PDFService *)service
didFailedCreatingPDFFile:(NSString *)filePath
errorNo:(HPDF_STATUS)errorNo
detailNo:(HPDF_STATUS)detailNo
{
NSString *message = [NSString stringWithFormat:@"Couldn't create a PDF file at %@\n errorNo:0x%04x detalNo:0x%04x",
filePath,
errorNo,
detailNo];
UIAlertView *alert = [[[UIAlertView alloc] initWithTitle:@"PDF creation error"
message:message
delegate:nil
cancelButtonTitle:@"OK"
otherButtonTitles:nil] autorelease];
[alert show];
}
とすると、冒頭のイメージのようになります。

2009年10月11日日曜日

UIViewControllerのtouchesBeganとかtouchesEndedが上手く機能しなかったと思ったら・・・

ひさっびさに普通のUIKitを使ったiPhoneアプリを作ったりし始めたらかなりの範囲を忘れてしまっていて大ハマりしてます。中でも一番困ったのがこれ。
@implementation AbesiViewController

- (void)viewDidLoad
{
[super viewDidLoad];
self.wantsFullScreenLayout = YES;
}

- (void)didReceiveMemoryWarning
{
[super didReceiveMemoryWarning];
}

- (void)dealloc
{
[super dealloc];
}
- (void)touchesBegan:(NSSet *)touches withEvent:(UIEvent *)event
{
// なぜか出力されない
NSLog(@"touchesBegan");
}

- (void)touchesMoved:(NSSet *)touches withEvent:(UIEvent *)event
{
// なぜか出力されない
NSLog(@"touchesMoved");
}

- (void)touchesEnded:(NSSet *)touches withEvent:(UIEvent *)event
{
// なぜか出力されない
NSLog(@"touchesEnded");
}

@end
とまぁ、なんの変哲もないUIViewControllerにタッチを扱うためのイベントハンドラを搭載してみただけなのですが、コレがまぁ動かない動かない!

こういうときに考えられる原因は、だいたいがInterface BuilderでInteraction Enabledのチェックを入れ忘れているとか、ViewControllerとViewをつなぎ忘れているとかそんなのばっかりなので真っ先に調べてみました。が、やはり問題は見つかりません。

試しにUIViewControllerではなくUIViewにtouchesBeganを載せてみるとコレが動くんです。ああ、OS 3.1.2ぐらいから挙動が変わったのかなとか思っていたら、

http://stackoverflow.com/questions/1025574/uiviewcontroller-not-receiving-touchesbegan-message
OK, I'm a dummy. It works fine. The problem was, I didn't realize I was sending a release message to the UIViewController without having retained it elsewhere first. So that was causing the problem.
あーーー!そうだ!!!UIViewControllerをretainしてない!!!orz

retainしたら解決しました。ほんと腕がなまってる・・・

2009年8月8日土曜日

cocos2d細かいところメモ

cocos2dを使っていて適当に気づいたところとかメモしてみます。

■ログ出力
CCLOGというマクロccMacros.hで定義されています。
#ifdef DEBUG
#define CCLOG(...) NSLog(__VA_ARGS__)
#else
#define CCLOG(...) do {} while (0)
#endif
注意点としてDEBUGがdefineされていないと使えません。


■ベクトル演算とか角度変換とか
CGPointを拡張してベクトル演算をするためのメソッドが追加されています。なかなか便利です。たとえばこんな感じ。
    // 二つのベクトルのdot(内積)とlength(ベクトルの長さ)を計算してcosθを求める
float dot = ccpDot(lastAccerelometerVector, convertedVector);
float a = ccpLength(lastAccerelometerVector);
float b = ccpLength(convertedVector);
float cosTheta = dot / (a*b); // 注意:a*bが0だとゼロ除算で死にます。真似しないでね><
// 角度→ラジアン変換用のマクロ。逆ももちろんあります
float threshold = cos(CC_DEGREES_TO_RADIANS(120.0));
Chipmunkにも同様のメソッドがあります。お好きな方をご利用いただけますが、個人的には全部cocos2dでやる方が好きです。唯一の問題は、こんなメソッドを使っているとベクトル内積の計算式を忘れます。


■音を出力する方法
最初からCocoa Touchで用意されているAudio Queue Service, OpenAL, AVAudioPlayer, Audio Unitに加えて、さらにcocos2dについてくる音再生用ライブラリとして
  • CocosDenshionとSimpleAudioEngine
  • sound-engine
これだけたくさんの中から選択できます。今回は一番簡単なSimpleAudioEngineという奴を使ってみました。
        // prefetch sound resources
SimpleAudioEngine *audioEngine = [SimpleAudioEngine sharedEngine];
[audioEngine preloadEffect:@"bell.aif"];
[audioEngine preloadEffect:@"gong.aif"];
[audioEngine playEffect:@"gong.aif"];
たったのこれだけです。playEffectでサウンドエフェクトが、playBGMでBGMが再生できます。同時再生数とか使用可能なファイルタイプとか細かいところは不明ですが、そこそこの量が同時に出せるみたいです。
注意点としてSimpleAudioEngineはCocosDenshionを使用しています。CocosDenshionのライセンスはcocos2dと独立しており、こちらは年間2500ドル以上の利益が出ている場合には500ドルのライセンス料を徴収するとかなんとかそういう条項があります。(http://www.cocos2d-iphone.org/wiki/doku.php/cocosdenshion:licenseを参照)


今はこのcocos2dの上にどのような構造でアプリを組んでやろうかとか考えてます。・・・あー、こんなこと考えてるからいつまで経っても本題のアプリが完成しないんだー ><

2009年7月19日日曜日

iPhone OS 3.0のTableViewでscrollEnabledをNOにするとtableView:didSelectRowAtIndexPath:が機能しない

http://forums.macrumors.com/showthread.php?t=470266

OS2.2のころはscrollEnabledをNOにしても正常にdidSelectRowAtIndexPathが動いていたので、これは正直結構困ります。仕方がないのでscrollEnabledを使うのを回避して、スクロールするように戻しました。OS 3.1では直っているとよいのですが。

iPhone付属のPhotos(写真)アプリのような、回転可能な全画面表示ビューを作る方法



Photos(写真)アプリに使われている、全画面ビューを真似して作ってみました。具体的には以下のような仕様になります。
  • ステータスバーの後ろも含め、ビューの内容が全画面(320x480)で表示される
  • 画面をタップするとステータスバーとナビゲーションバーが消える
  • もう一度タップすると再度表示される
  • iPhoneを傾けると画面が回転する
参考にしたページは以下のとおり。
http://life.ponpoko.tv/?p=533

また、サンプルソースも公開してます。こちらのソースの、- (void)fullScreenMode:(BOOL)mode animated:(BOOL)animatedがフルスクリーン表示を実現しているメソッドになります。


■注意
iPhone OS 3.0以上専用です。2.2以下では別の方法を取る必要があります。


■まずはStatus BarとNavigation Barを消す
http://life.ponpoko.tv/?p=533 こちらのページに書いてある内容を100%そのままパク参考にさせていただければ何も問題ありません。iPhone OS 2.2までは記載されている通りのworkaroundが必要になりますが、3.0以降ではバグが修正されているため、単にStatus BarとNavigation Barを消せばOKです。

ただし一点、[self.navigationController setNavigationBarHidden:YES animated:YES];を使うと、ナビゲーションバーが上方向に対してぴょこんと引っ込むようなアニメーションになります。ステータスバーはその場でフェードアウトして消えるので、なんだか不自然な感じに見えます。Photos.app(写真アプリ)など、iPhone標準のアプリと同様にナビゲーションバーをフェードアウトさせて消したい場合には、UIViewのアニメーション機能とalpha値を利用して以下のようにします。
    if (animated)
{
[UIView beginAnimations:nil context:NULL];
[UIView setAnimationDuration:0.3];
}
self.navigationController.navigationBar.alpha = mode ? 0 : 1;
if (animated)
{
[UIView commitAnimations];
}
Three20プロジェクトのソースから拝借してきました><


■Viewを全画面配置する(Status BarとNavigation Barのあった場所にも描画させたい)
さんざん悩んだあげく、実はUIViewControllerにそのためのプロパティがあったと知り、ものすごく簡単に解決しました。
- (void)viewWillAppear:(BOOL)animated
{
[UIApplication sharedApplication].statusBarStyle = UIStatusBarStyleBlackTranslucent;
self.navigationController.navigationBar.barStyle = UIBarStyleBlackTranslucent;
// このUIViewController.wantsFullScreenLayoutをYESにするとフルスクリーン表示になる
self.wantsFullScreenLayout = YES;
}
ついでにステータスバーとナビゲーションバーを透明にして裏が透過するようにしてみました。


■ビューの回転に対応したい
何も考えずにshouldAutorotateToInterfaceOrientationすればいいだろう常考
- (BOOL)shouldAutorotateToInterfaceOrientation:(UIInterfaceOrientation)interfaceOrientation
{
return YES;
}
とおもったら思わぬ落とし穴が。確かに全画面表示にした状態でビューを回転させたり、逆にナビゲーションバーが出ている状態でビューを回転させたりする分にはこれだけで全く問題ないのですが、
  1. ナビゲーションバーを消す(全画面表示にする)
  2. iPhoneを傾けてビューを回転させる
  3. 再度ナビゲーションバーを表示する
という手順を踏むと、再度表示したときにナビゲーションバーが崩れる問題が発生。結局ナビゲーションバーを消したり再表示したりする際に、以下のようなworkaroundをするハメに。
    // Force set the frame of the navigation bar
CGRect frame = self.navigationController.navigationBar.frame;
frame.origin.y = 20.0;
self.navigationController.navigationBar.frame = frame;


■全画面表示をしている画面から前の画面に戻るとバグる問題
これで完成かと思えば、最後にもう一つ落とし穴が。
  1. iPhoneを横向きに傾けて、Landscape表示にする
  2. ナビゲーションバーを表示する
  3. そのまま横向きになっている状態で、ナビゲーションバーの戻るボタンを押して、前の画面に戻る
  4. 前の画面に戻る際に、wantsFullScreenLayoutをNOにして通常画面モードにし、ステータスバーとナビゲーションバーのスタイルもDefaultに戻す
という風な操作を行うと、なぜかナビゲーションバーのスタイルだけがDefaultに戻らず、表示も崩れるという問題が発生しました。たぶんOS 3.0のバグだと思います。
いろいろ試してみた結果、全画面表示をしている画面ではなく、前の画面のviewWillAppearのタイミングで以下のコードを呼びだせば問題が解決しました。
- (void)viewWillAppear:(BOOL)animated
{
[UIApplication sharedApplication].statusBarStyle = UIStatusBarStyleDefault;
self.navigationController.navigationBar.barStyle = UIBarStyleDefault;
}

CGGradientを用いてUITableViewCellを描画し、テーブルをカッコよく見せる方法

デフォルトのUITableViewCellの背景が白くてのっぺりでいまいち味気ないと思い、背景にグラデーションを付けてかっこよく見せる方法を調べてみました。単純に別途用意した背景画像をbackgroundViewに表示してもよいのですが、Cocoa Touchの2Dグラフィックスライブラリにはグラデーションを描画するためのCGGradientというクラスが最初から用意されています。さっそく私もパクってインスパイアされてやってみました。

参考にしたページはこちら。
http://developer.apple.com/documentation/graphicsimaging/conceptual/drawingwithquartz2d/dq_shadings/dq_shadings.html#//apple_ref/doc/uid/TP30001066-CH207-TPXREF101


■どこで描画するか
  • UITableViewCellのdrawRectで直接描画。
    少しでも高速に描画したい場合にはこの方法
  • 新規にUIViewを継承した背景用Viewを作成しセルのbackgroundViewに設定。そのViewのdrawRectで描画
    複数のUITableViewCellで同じ背景を適用したいときはこの方法が便利

■まずは実際に描画してみる
drawRectの中でCGContextを作成して、続いてCGGradientを生成。CGGradientを作るためにはCGColorSpaceとか色を指定する配列とかが必要になるのでそれらも生成。最後に生成したCGGradientオブジェクトを描画するという流れになります。ということでソースを見てみましょう。
- (void)drawRect:(CGRect)rect
{
// CGContextを用意する
CGContextRef context = UIGraphicsGetCurrentContext();

// CGGradientを生成する
// 生成するためにCGColorSpaceと色データの配列が必要になるので
// 適当に用意する
CGGradientRef gradient;
CGColorSpaceRef colorSpace;
size_t num_locations = 2;
CGFloat locations[2] = { 0.0, 1.0 };
CGFloat components[8] = { 1.0, 1.0, 1.0, 1.0, // Start color
0.79, 0.79, 0.79, 1.0 }; // End color
colorSpace = CGColorSpaceCreateDeviceRGB();
gradient = CGGradientCreateWithColorComponents(colorSpace, components,
locations, num_locations);

// 生成したCGGradientを描画する
// 始点と終点を指定してやると、その間に直線的なグラデーションが描画される。
// (横幅は無限大)
CGPoint startPoint = CGPointMake(self.frame.size.width/2, 0.0);
CGPoint endPoint = CGPointMake(self.frame.size.width/2, self.frame.size.height);
CGContextDrawLinearGradient(context, gradient, startPoint, endPoint, 0);

// GradientとColorSpaceを開放する
CGColorSpaceRelease(colorSpace);
CGGradientRelease(gradient);
}
このコードを実行すると・・・


はい!もうグラデーションができました。嘘みたいに簡単です。

2010/05/24追記:注意点として、CGGradientとCGColorRefのオブジェクトは手動でリリースしないとメモリリークが発生します!


■UIColorを元にグラデーションを作る
先ほどの例では配列にRGBA要素を渡してグラデーションを作りましたが、UIColorが使えるともっとお手軽で、しかもRGBAだけではなくてHSBAで色が指定できて何かと便利です。ということで、次はUIColorからグラデーションを作ってみます。

UIColorから直接CGGradientを作ることは出来ないので、途中でCGColorとCFArrayRefを作り、それを元にCGGradientを生成してみます。コードはこちら。
- (void)drawRect:(CGRect)rect
{
CGContextRef context = UIGraphicsGetCurrentContext();
UIColor *currentColor = [UIColor colorWithHue:currentBackgroundColorHSBA[0]
saturation:currentBackgroundColorHSBA[1]
brightness:currentBackgroundColorHSBA[2]
alpha:currentBackgroundColorHSBA[3]];
// gradient background
CGGradientRef grad;
CGColorSpaceRef colorSpace;

// UIColorからCGColorを取り出すのはとっても簡単
CGColorRef currentColorRef = [currentColor CGColor];
CGColorRef voidColorRef = [[UIColor colorWithHue:0.0
saturation:0.0
brightness:0.17
alpha:1.0] CGColor];
CGColorRef colorArray[2] = {voidColorRef, currentColorRef};
CGFloat locations[2] = { 0.0, 1.0 };

// CFArrayRefを作る。
// もっと簡単に作りたければ、NSArrayを作ってからCFArrayRefにキャストするだけでもよい。(未確認)
CFArrayRef colors = CFArrayCreate(kCFAllocatorDefault, (const void **)colorArray, 2, &kCFTypeArrayCallBacks);

colorSpace = CGColorSpaceCreateDeviceRGB();
// Gradientを生成する
grad = CGGradientCreateWithColors(colorSpace, colors, locations);

// 描画する
CGFloat progress = currentTime / allottedTime;
CGFloat height = self.frame.size.height + HEIGHT_GRADIENT;
CGPoint startPoint = CGPointMake(self.frame.size.width/2, progress * height - HEIGHT_GRADIENT);
CGPoint endPoint = CGPointMake(self.frame.size.width/2, progress * height);
CGContextDrawLinearGradient(context,
grad,
startPoint,
endPoint,
kCGGradientDrawsBeforeStartLocation | kCGGradientDrawsAfterEndLocation);
// GradientとColorSpaceを開放する
CGColorSpaceRelease(colorSpace);
CGGradientRelease(grad);
}
CGContextDrawLinearGradientの第4引数にkCGGradientDrawsBeforeStartLocationフラグとkCGGradientDrawsAfterEndLocationフラグを設定しています。これらのフラグを指定すると、startPoint以前、およびendPoint以降をグラデーションの開始色と終了色でべた塗りしてくれます。実行結果は以下の通り。


こんな感じで、画面中央から下が全部べた塗りになっているのが分かると思います。

他にも、CGGradientを作る際にlocationsを増やせば2色だけではなくて多色のグラデーションを作成することが出来たりします。このあたり、Appleが公開しているドキュメントだけでも相当詳しく紹介されているので、そちらを見ればほぼ間違いないかと。


■サンプルソース
今回のサンプルはgithubですべてソースを公開して居ますので、より詳しく学びたい方はそちらも併せてご参照ください。
http://github.com/akisute/YourTurn/tree/master
これとかこれを見るとよいかと思います。

2009年6月8日月曜日

時間を入力するために、カスタムUIPickerViewを作ってみた



時間を入力するためのUIが欲しかったので、こんな感じのカスタムUIPickerViewを作ってみました。ソースコードはこちら。
http://github.com/akisute/YourTurn/blob/8119bf028acf4908edb602d277544bc2cf6a5848/Classes/YTTimePickerView.h
http://github.com/akisute/YourTurn/blob/8119bf028acf4908edb602d277544bc2cf6a5848/Classes/YTTimePickerView.m


使い方はソースを見ていただければきっとご理解いただけると信じておりますので、UIPickerViewを使っていて気づいた点などをいくつか晒してみたいと思います。


■参考にした記事
id:paellaさんのダイアリーを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
http://iphone-dev.g.hatena.ne.jp/paella/20090521#20090521fn1

基本的にはこちらの記事にまとめられている内容に従って、
// 2) ビューを返したい場合
- (UIView *)pickerView:(UIPickerView *)pickerView viewForRow:(NSInteger)row forComponent:(NSInteger)component reusingView:(UIView *)view {}
このデリゲートメソッドを使いカスタムViewを利用した実装を行ったのですが、一部私の実装とpaellaさんの記事で異なっている点があるので、ご紹介したいと思います。


■UILabelを直接デリゲートメソッドから返す
元記事では、
UIViewを返すデリゲート、必ずUIViewを返さないとうまく動いてくれません。このサイトやこのサイトで紹介されているようなUILabelを直接渡してあげる方法は、少なくとも私の環境(2.2.1)では何も表示されませんでした。
と、UIViewを返さなくてはダメとご指摘がありますが、どうやらUILabelでも大丈夫みたいです。ビルドターゲット = iPhone OS 2.2.1の環境で確認できました。

UILabelをそのままデリゲートから返却したときに画面に表示されなかった原因は、どうやらUILabelのframe.size.heightが0になってしまっていた(要するにつぶれてしまっていた)のが原因みたいです。そこで、以下のようなコーディングを行いました。
- (UIView *)pickerView:(UIPickerView *)picker viewForRow:(NSInteger)row forComponent:(NSInteger)component reusingView:(UIView *)view
{
UILabel *label = (UILabel *)view;
if (!label)
{
label = [[[UILabel alloc] init] autorelease];
label.frame = CGRectMake(label.frame.origin.x, label.frame.origin.y, 20.0, 23.0);
label.backgroundColor = [UIColor clearColor];
// 以下初期化コードなど・・・
}

return label;
}
このように、label.frameの高さを無理矢理指定してやれば、きちんと画面に出せるみたいです。また、この方法を使えば、元記事で
ポイントはビューの座標。どうも各要素での{0,0}の位置はPicker内各Rowのど真ん中にあるらしく、サンプルのように負数を指定してあげないとどこかに寄った状態になってしまうみたいです。
とご指摘があったビューの座標も、特に気にせず普通に指定することが出来るようになりました。


■Pickerを、UIScrollViewのサブクラス(UITableViewなど)にaddSubviewする場合の注意点
この記事の見出しに貼り付けた画像では、作成したカスタムPickerをGroupedスタイルなUITableViewのfooterViewに貼り付けています。
    // Initialize time picker with a previously selected value
timePicker = [[YTTimePickerView alloc] initWithFrame:CGRectZero];
NSInteger initialValue = [[NSUserDefaults standardUserDefaults] integerForKey:_USERDEFAULTS_TIMEPICKER_INITIALVALUE];
timePicker.time = (initialValue == 0) ? 300 : initialValue;
timePicker.timePickerViewDelegate = self;
[timePicker selectRowWithCurrentTime];
self.tableView.tableFooterView = timePicker;
このように、UIScrollViewのサブクラスのサブビューとしてUIPickerViewを貼り付けると、そのままの状態ではうまくPickerのドラムが回転してくれないという症状が発生してしまいます。
これはどうやらUIPickerViewのスクロールとUIScrollViewのスクロールがけんかしてしまっているみたいです。そこで、スクロールする必要のないTableView側の設定をOFFにします。具体的には、Interface Builderを利用する場合、以下の赤枠でくくった箇所を設定すると良いようです。



こうすることで、綺麗にドラムが回転してくれるようになります。

2009年5月31日日曜日

NSTimerは基本的にretainせずassignでよい

NSTimerを初めて使ってみたのでハマったところをメモしておきます。


■NSTimerはNSRunLoopにretainされる。NSTimerは引数targetで与えられたオブジェクトをretainする。
いちばんハマったのがこの挙動です。
AppleのNSTimerについての公式ドキュメント(http://www.devworld.apple.com/documentation/Cocoa/Conceptual/Timers/Articles/usingTimers.html#//apple_ref/doc/uid/20000807-CJBJCBDE)にもクラスリファレンスにもきちんとと明記されていたのですが・・・思いっきり見落としてました。

これらがいったいどんな問題を引き起こすか。
たとえば普通のクラスと同じ感覚でdealloc中にNSTimerのinvalidateを呼び出すコードを書くと、永遠にdeallocが呼び出されなくなってしまいます。
// ViewControllerがNSTimerを使っているとして・・・
- (void)viewDidLoad
{
timer = [NSTimer scheduledTimerWithTimeInterval:interval
target:self // このselfはretainされる
selector:@selector(timerFired)
userInfo:nil
repeats:YES];
}
- (void)dealloc
{
[displayLabel release];
[timerLabel release];
// ここでinvalidateしてはいけない、永遠にdealloc自体が呼び出されなくなる
[timer invalidate];
[timer release];
}

なぜなら、
  • NSTimerがdeallocを呼び出すオブジェクトをretainしている、したがってNSTimerがreleaseされるまでdeallocが呼ばれない
  • NSTimerはNSRunLoopにretainされている、従ってNSTimerのinvalidateが実行されるまではNSTimerはreleaseされない
  • invalidateを呼び出しているのはこのdeallocの中以外にない。・・・詰みました。
こうならないようにするためには、dealloc以外の箇所から、適切にinvalidateメソッドを呼び出してやる必要があります。ということで、ViewControllerの中でNSTimerを使うときは、以下の2点に気をつければ良さそうです。
  1. NSTimerのオブジェクトは基本retainしない(自分でNSRunLoopにaddTimerとかしたい場合は別として)
  2. 通常deallocのタイミングでオブジェクトをreleaseするのと同じようにNSTimerをinvalidateしたい場合は、- (void)viewWillDisappear:(BOOL)animated を使う

- (void)viewWillDisappear:(BOOL)animated
{
if (timer)
{
// ここでタイマーをinvalidateする
// invalidateするとNSRunLoopがretainされていたこのタイマーをreleaseしてくれる
[timer invalidate];
timer = nil;
}
}

■userInfoはただのNSDictionary
そのまんまです。クラスリファレンスを見ても
The user info the new timer.

This parameter may be nil.
としか書いてなくて困ったのですが、本当にただのNSDictionaryです。適当に使ってくれってことでしょうか。


■次のタイマーイベントまでの間隔をリセットしたいときはsetFireDate:
たとえば何らかの理由でタイマーのFireイベントに登録していたセレクタを自分で呼び出しちゃって、次のタイマーイベントまでの間隔をリセットしたいときなどは以下のような具合にするとよいです。
if (timer)
{
// timerのsetFireDateに、次にタイマーイベントが発生する日時をセットする
// NSDateに、dateWithTimeIntervalSinceNowという便利なメソッドがあるのでこれを使う
[timer setFireDate:[NSDate dateWithTimeIntervalSinceNow:interval]];
}

■っていうか
今このBlogを書くためにNSTimerでぐぐったらここに書いてあるようなことがいろいろ見つかってしまいました・・・><
先にちゃんと調べてから作らないと無駄ですね−。

2009年5月19日火曜日

UINavigationの片方のサイドに複数個のボタンを持たせたい



こんな感じでUINavigationBarの片方のサイドに複数個のボタンをおく方法を探してみました。UIToolBarと異なり、UINavigationBarではUINavigationItem.rightBarButtonItem, UINavigationItem.leftBarButtonItem, それからタイトル部分と、最大でも3個しかアイテムを配置することが出来ません。そのため、複数のボタンを一つの配置箇所にまとめて配置したい場合には、カスタムビューを作成する必要があります。
Appleの配布しているデモアプリケーションにもありますが、こういう場合にはUISegmentedControlのmomentaryプロパティをYESに指定して、ボタンみたいに利用するのがいちばん良いようです。
NSArray *items = [NSArray arrayWithObjects:@"Add", @"YourTurn", nil];
UISegmentedControl *segmentedControl = [[[UISegmentedControl alloc] initWithItems:items] autorelease];
segmentedControl.selectedSegmentIndex = UISegmentedControlNoSegment;
segmentedControl.segmentedControlStyle = UISegmentedControlStyleBar;
segmentedControl.momentary = YES;
[segmentedControl addTarget:self action:@selector(segmentedControlClicked:) forControlEvents:UIControlEventValueChanged];
self.navigationItem.rightBarButtonItem = [[[UIBarButtonItem alloc] initWithCustomView:segmentedControl] autorelease];

この方法でひとまずはUINavigationItemの右側に複数のボタンを作ることが出来ました。しかしまだまだ完璧ではなくて、現地点で分かっている限りでも二つの問題があります。
  1. ボタンの背景色が通常のボタンとは異なる色になる
  2. 個々のボタンひとつひとつを個別にDisableすることができない

Appigo Todoなんかは普通にUINavigationBarの右側に3つもまとめてボタンを綺麗に配置してあったりするのですが、一体全体どうやってるんでしょうね?・・・うーん。

2009年5月7日木曜日

Objective-CではvalueForKeyPath:で集計関数みたいなものが使えて凄く便利

Pythonだと、
list = [{'no':1, 'name':'akisute'}, {'no':2, 'name':'abesi'}, {'no':3, 'name':'hidebu'}]
maxNo = max(list, key=lambda x:x['no'])
こんな感じでリストに含まれるオブジェクトの最大値を簡単に取り出せたりするのですが、Objective-Cでもできないかと思い調べてみました。ですが、NSArray自体にはそのようなメソッドが用意されていません。ひょっとして出来ないのかと思っていたら、ちょっと面白い方法で集計関数のようなものが実装されていることがわかりました。

Objective-CにはKey-Value Codingという概念があって、それを使って実装されているようです。Key-Value Codingについては正直全然理解していないのでここでの解説は避けます。すみません。

NSArrayのvalueForKeyPathを使って以下のように問い合わせを行うと、先ほどのPythonの例と同様にNSArray中の最大値を持つオブジェクトを取得することが出来るようです。
// noとnameプロパティを持つPersonクラスがあると仮定して・・・
id akisute = [[Person alloc] initWithNo:1 name:@"akisute"];
id abesi= [[Person alloc] initWithNo:2 name:@"abesi"];
id hidebu= [[Person alloc] initWithNo:3 name:@"hidebu"];
NSArray *array = [NSArray arrayWithObjects:akisute, abesi, hidebu, nil];
NSNumber *maxNo = [array valueForKeyPath:@"@max.no"];
valueForKeyPathの引数に、@max.noというキーを渡すところがキモです。これで、NSArrayのインスタンスに含まれるオブジェクトのnoプロパティの最大値を求めることが出来ます。
同様にして、名前の最大値を求めたいときには、
NSString *maxName = [array valueForKeyPath:@"@max.name"];

とすれば取れます。また、一番長い名前の長さを求めたいときは、以下のように指定することができます。
NSNumber *maxCountOfName = [array valueForKeyPath:@"@max.name.count"];

@max以外にも、@avg, @sum, @count, @min, @unionOfObjects, @distinctUnionOfObjectsなどが用意されているみたいです。

詳しくは荻原さんのObjective-C 2.0本をご参照あれ。いや、この本は本当に買ってよかったです。Objective-Cのバイブルですね。

詳解 Objective-C 2.0
荻原 剛志
4797346809