2011年4月23日土曜日

iOS 3の UIScrollView はスクロールが発生しない状態では内部の UIView のタッチが取れない

iOS 3以前と iOS 4以降で大きく内部実装が変わったクラスがいくつかあります。 UIScrollView はその中の一つですが、ここではその中でもかなり厄介なバグを紹介します。

iOS 3の UIScrollView は、スクロールが発生しない状態(すなわち UIScrollView.bounds.size >= UIScrollView.contentSize のとき)では内部の UIView のタッチが取れません。タッチが取れないというのは、要するに内部の UIView に実装してある touchesBegan, touchesMoved, touchesEnded などが呼び出されないということです。情報元はこちら。
http://www.iphonedevsdk.com/forum/iphone-sdk-development/1345-uiscrollview-subview-touch-problem.html
Looks like as if the scrollview blocks any touches when the content rectangle is smaller or of same size as its bounds. Really strange behaviour.
ほんと Really strange behavior ですよ Apple センセ。

回避策として、iOS 3では UIScrollView.contentSize を調整して、常にスクロールが発生するような状態にしておけば大丈夫です。 iOS 4以降でしたらこの問題は発生しません。


2011/05/02追記: @k_katsumi さんから突っ込みいただきました。
http://twitter.com/#!/k_katsumi/status/61690186664378368

以下のように delaysContentTouches プロパティと canCancelContentTouches プロパティを NO に設定する方がどうもお行儀がよいようです。
scrollView.delaysContentTouches = NO;
scrollView.canCancelContentTouches = NO;

UIButton でアニメーションする画像を表示させたい

UIButton でアニメーションする画像を表示させたいときは、 UIButton.imageView.animationImages プロパティを使うことで簡単にアニメーションを実装させることができます。さっそくサンプルを書いてみます。

以下、 iOS 3.2 および iOS 4.0 以降にて確認しております。
UIButton *button = [UIButton buttonWithType:UIButtonTypeCustom];

NSArray *animationImageNames = [NSArray arrayWithObjects:@"animation1.png", @"animation2.png", @"animation3.png", nil];
NSMutableArray *animationImages = [NSMutableArray arrayWithCapacity:[animationImageNames count]];

for (NSString *animationImageName in animationImageNames) {
UIImage *image = [UIImage imageNamed:animationImageName];
[animationImages addObject:image];
}

[button setImage:[animationImages objectAtIndex:0] forState:UIControlStateNormal]; // 大事
button.imageView.animationImages = animationImages;
button.imageView.animationDuration = 2.0;
[button.imageView startAnimating]; // 大事、忘れるとアニメーションしません

[self.view addSubview:button];
UIButton.imageView.animationImages プロパティを使う際に注意する点がいくつかあります。
  • 必ず最初に setImage:forState: メソッドを使って何らかの画像を表示させるようにすること。通常の画像を表示させるようにしないと、 UIButton.imageView が画面に表示されません。
  • iOS 4.0以降ではこのプロパティでセットした画像は UIButton の frame に合わせてリサイズされて表示されますが、 iOS 3.2 以前ではリサイズされずそのままの大きさで表示されますので、注意が必要です。

2011年4月17日日曜日

Xcode 4 で scheme が My Mac 64bit になって iPhone 向けのビルドが出来なくなった時の対処法



最近会社のプロジェクトで使う Xcode を Xcode 4 に乗り換えたのですが、全く新しく作り直された バグだらけでまともにビルドすら出来ない上に無料じゃなくなったどうしようもない出来映えの IDE ということで、何かとトラブルが多いようです。今回はその中でももっとも頻発したものをご紹介します。

たまに iOS 向けのプロジェクトを Xcode 4 で開いたときに、左上の scheme 選択欄に My Mac 64bit と表示されてしまって iPhone シミュレータや実機でビルドが出来なくなることがあるようです。

対処法はこちら。
http://stackoverflow.com/questions/5319251/xcode-4-the-selected-run-destination-is-not-valid-for-this-action

Build Settings を開き、 Base SDK の設定をいったん Mac OS X SDK に変更してから、もとの iOS SDK に戻すと問題が解決されるようです。これで一安心ですね。

Xcode 4.0 と Xcode 4.0.1 で再現することを確認しました。 Xcode 4.0.2 では未確認です。

Xcode 4 で build target 名にスペースが含まれているとビルド時に 100% エラーになる



タイトルからしてひどい出落ちですが、 Xcode 4 で build target 名にスペースが含まれているとビルドを行った際に 100% ビルドに失敗します。

原因がまたお粗末で、 Xcode 4 は build target 名をビルド成果物の中間配置ディレクトリの名前に使っているのですが、スペースをエスケープしていないためコンパイラが正しくパスを解釈できずに落ちているようです。がっくし。



Xcode 4.0 での調査結果です。 4.0.1 または 4.0.2 では修正されている可能性がありますが、いずれにせよスペースはさけたほうが良さそうです。

UINavigationController に管理されている UIViewController の view のサイズを変更したい

たとえばアプリ内の固定の位置に広告を突っ込みたいときなど、 UINavigationController に管理されている UIViewController の view 構造を操作したい場合があると思いますので、調べてみました。


■UINavigationController.viewの中身

iOS 4 ですと以下のようになっています。



最上位の UINavigationController.view に相当するのが UILayoutContainerView で、その下に UINavigationTransitionView があり、そのまた下に UIViewControllerWrapperView というのがあって、こいつが表示される UIViewController.view をラップして表示しているという仕組みになっているようです。

おそらく iOS 3.2 でも同じだと思います。 iOS 3.1.3 以前についてはわかりません。


■実際にやってみる

いろいろ試してみた結果、もっともうまくいきそうなのは以下のように、 viewDidAppear のタイミングで UIViewController.view.superview に対して操作を行う方法であることがわかりました。
- (void)viewDidAppear:(BOOL)animated
{
[super viewDidAppear:animated];
self.headerView.frame = CGRectMake(0, 0, 320, 100);
self.view.frame = CGRectMake(0, 100, 320, self.view.superview.frame.size.height - 100);
[self.view.superview addSubview:self.headerView];
}

■問題発生

ところがこの方法では画面遷移時のアニメーションが発生すると上記の例で追加した headerView の表示が無茶苦茶に壊れてしまいます。またタイミングを誤ると headerView のサイズが self.view.superview.bounds の大きさに補正されてしまいます。恐らくは UINavigationTransitionView とかいう private な view がなにやらやっているのでしょう。アニメーションが発生しない範囲であれば問題なさそうですが、いまいちです。


■結論

横着しないで表示される UIViewController の view で何とかするしかないみたいですね><

2011年3月17日木曜日

Xcode 4 で昔の Three20 フレームワークを使っているプロジェクトをビルドする方法

主に自分用のメモ。
Xcode 3 時代に作った Three20 フレームワークを使っているプロジェクトが動かない場合の対処法です。


動かない原因は簡単で、Xcode 4からはビルドした生成物が用意される場所が、各プロジェクトのbuildディレクトリ以下から、
~/Library/Developer/Xcode/DerivedData/プロジェクト名/Build/Products
以下に移動しているからです。なので、たいていの場合ヘッダ検索パスが間違っているので動かなくなります。

対処法はThree20公式ブログに載っているので転載します。
http://three20.info/article/2011-03-10-Xcode4-Support

以下のようにヘッダ検索パスを追記すると良いようです。
"$(BUILT_PRODUCTS_DIR)/../three20"
"$(BUILT_PRODUCTS_DIR)/../../three20"


2011/04/03追記: はじめに載せていた対処法は間違いでしたorz 大変申し訳ありません!
以下、はじめに掲載していた間違っている対処法です。この方法では通常のビルドはうまくいきますが、アーカイブ時のビルドに失敗します!どうもアーカイブ時と通常のビルド時でもビルド先のディレクトリが指し示す先が異なるようです、

対処法は、以下のようにヘッダ検索パスを書き直します。
$SYMROOT/three20


$SYMROOTという環境変数がキモです。



こいつはドキュメントには書いてませんが、Xcode 4のビルド設定ですと、
~/Library/Developer/Xcode/DerivedData/プロジェクト名/Build/Products
に対応するパスを返してくれるようです。

2011/04/03追記: 上にも書きましたが、アーカイブ時には上記に対応するパスではなく、異なるパスが使われます。そのためこの方法ではうまくいきません。Three20.infoに掲載されている方法を使うのが一番良いようです。

2011年3月16日水曜日

Python で Xcode のビルドスクリプトを書く方法

以前こんな記事を書きましたが、今回はもっと実践的なお話。PythonでXcodeのビルドスクリプトを書いてハッピーになろうというお話です。


■なぜXcodeのビルドスクリプトを書くのか

Xcodeのビルド機能だけでは出来ないことをやりたいからです。たとえば、
  • 特定のディレクトリの中に入っているリソースを、ビルド時にアプリにパッケージングしたい。
  • ビルドする前に、特定のリソースを暗号化して、アプリにパッケージングしたい。
といった要望が結構ありますが、これらはビルドスクリプトを使えば簡単に可能になります。
手でいちいちやるより楽で安全ですね。


■なぜPythonか

理由はいくつかあります。
  1. Windows, Mac, Linux, 全ての環境で動く。したがって、万が一のときにはビルドスクリプトだけを移植できる。
  2. sh とか csh とか非力すぎてやってらんない。 zsh もつかえるけど Python よりはやはり弱いと思う。
  3. スクリプトを Xcode 内部のエディタで書いて、そこに閉じ込められてしまうため、可搬性が無くなってしまう。
  4. 外部スクリプトにしておくと、引数としてオプションを渡せるので、ビルド設定に応じてオプションを切り替えたり、テストと本番でオプションを切り替えて動作を変更する、とかできる
たとえばクライアント・サーバーアプリで、サーバー側がPythonで出来ていたりする場合、
サーバー側の処理を一部ビルド時にやりたいとかあったりするわけですよ。・・・たまに。・・・ごくまれに。
そういうときに便利です。


■例:

長々と語るより例を示した方がよいと思うので、さっそくビルドスクリプトの例を示します。
ここでご紹介するのは、プロジェクトの/Resources/MyResourceディレクトリ以下にあるファイルを全てアプリバンドル内の/MyResourcesディレクトリ以下にコピーするだけの簡単なビルドスクリプトです。オプションとして平文/暗号化の有無を選択できるようにしてみました(実装はしてないです><)

Xcodeがビルドスクリプトを実行する際に、環境変数にたくさんの情報をセットしてくれます。なので、Pythonの os.environ を使ってそれらの情報を拾っていきます。Xcodeがセットしてくれる環境変数についてはhttp://developer.apple.com/library/ios/#documentation/DeveloperTools/Reference/XcodeBuildSettingRef/0-Introduction/introduction.htmlにまとめがあります。

#! /usr/bin/env python
# coding: utf-8

import os
import shutil
from optparse import OptionParser

def main():
# Option parser settings
#
description = """Sample build script"""
package_type_choices = (
'plain',
'crypted',
)
parser = OptionParser(description=description)
parser.add_option('-t', '--type',
action='store',
type='choice',
choices=package_type_choices,
default=package_type_choices[0],
dest='package_type',
help='Type of the destination package',
metavar='TYPE')
(options, args) = parser.parse_args()
print "*** Begin packaging resources. Package type is %s. ***" % options.package_type
# Env var settings
#
src_resources_path = "%s/Resources/MyResources" % (
os.environ['SRCROOT'],
)
destination_resources_path = "%s/%s/MyResources" % (
os.environ['TARGET_BUILD_DIR'],
os.environ['UNLOCALIZED_RESOURCES_FOLDER_PATH']
)
# Create target dir
#
print "*** Creating the destination MyResources directory at %s ***" % destination_resources_path
if os.path.isdir(destination_resources_path):
shutil.rmtree(destination_resources_path)
os.mkdir(destination_resources_path)
# Copy each resources in src_resources_path to the destination
#
for root, dirs, files in os.walk(src_resources_path):
for dir in dirs:
# TODO: This implementation is only for 'plain' packaging. Implement the 'crypted' packaging later
print "*** Copying the resource %s to the target build location ***" % dir
fromdir_path = os.path.join(root, dir)
todir_path = os.path.join(destination_resources_path, dir)
shutil.copytree(fromdir_path, todir_path)
print "*** Removing garbage files from the copied resource ***"
for r, ds, fs in os.walk(todir_path):
for f in fs:
# .から始まるファイルをゴミファイルと見なしてパッケージに加えないようにします
if f.startswith('.'):
os.remove(os.path.join(r,f))
print os.path.join(r,f)
# Make sure not to traverse into the subdirectories
del dirs[0:len(dirs)]
# Completed
#
print "*** Packaging resources is successfully completed! ***"

if __name__ == "__main__":
main()
はい、できました。Pythonを使ったメリットとして、 optparse モジュールのおかげでオプションを扱うのがすごく楽にできるとか、リストを扱うのが強力とかが見て取れます。ファイル名の文字列加工も shやcsh の中で sed を使うより安全でらくちんです。


■Xcodeから呼び出す

あとはこれをXcodeのビルド時に呼び出すようにしてやれば良いだけです。

Xcode 3の場合には、画面左のナビゲーションバーからターゲットを選択して、「新規ビルドフェーズを追加」→「スクリプトの実行」とかで出来たと思います。
Xcode 4の場合には、以下の画像が示すとおりにすればOKです。



はい、出来ました。あとはビルドするたびに毎回このスクリプトが実行されてくれるわけです。

画像では紹介してないですが、もちろん呼び出し時にオプションをつけたりできますよ。
/usr/bin/env python $SRCROOT/bin/mybuildscript.py --myoption=1 -v --enable_my_secret

LLVM compiler 2.0 (clang 2.9) で linker にパスを出力させる方法

Xcode 4 から使えるようになった LLVM compiler 2.0 (clang 2.9) の覚え書きです。リンカにパスを出力させる方法を調べてみました。

※ clang 2.8 じゃなくて 2.9 がベースになってるみたいです。ごめんなさい><



方法は簡単。ビルド設定中のOther Linker Flags (OTHER_LDFLAGS) に、
-v -Xlinker -v
または
-v -Wl,-v
を与えればOKです。


ほいごらんのとおり。

gcc 4.2 または LLVM gcc 4.2 を使っているときは、 gcc がコンパイルして ld でリンクするようになっていましたが、 clang を使うときは clang が一人でコンパイルして一人でリンクまでやってしまいます。そのため、これまで通り普通に-vを渡しただけではうまくいきません。これだと、単に clang が verbose モードになるだけですからね。そこで -Xlinker とか -Wl を使ってリンカを verbose モードにすればOKということです。詳細はman clangすべし。

2011年3月8日火曜日

lipo を使って簡単に Universal Binary を作成する方法

iOS 向けのライブラリやフレームワークは、よく static library (.aファイル) の形式で配布されています。これは iOS がユーザーが作成した dynamic library (.dylibファイル) や framework バンドルをサポートしていないからなのですが、ときどきこの static library がシミュレーターとデバイス両方で使える形式、いわゆる Universal Binary になっていない場合があります。

たとえばこんな感じですね。



この状態でビルドを行うと、シミュレーター向けビルドを行えばデバイス用のバイナリが、デバイス向けビルドを行えばシミュレーター用のバイナリが、それぞれ対応していないアーキテクチャであると警告を出してしまいます。警告ですからコンパイルは通るのですが、私は几帳面で気になってしまうので、これを解消したいと考えます。


■lipoの出番

そこで lipo を使います。 lipo は Xcode に付属されているコマンドラインツールですので、 iOS SDK をインストールしている人でしたら誰でも使えます。詳しい使い方は man を見ていただければわかりますが、普通使うのは以下のパターンだけです:
lipo -create ライブラリ1.a ライブラリ2.a -output 出力するライブラリ.a
たったのこれだけで二つのライブラリを組み合わせて Universal Binary を生成してくれます。さっきの画像の例ですと、
lipo -create libAbesi_dev.a libAbesi_sim.a -output libAbesi.a
これでOKです。


■本当に Universal なの?

それでは本当に Universal Build になったのか見てみましょう。 static library の中身を見るには、 nm コマンドを使います。



どうやらうまくいったみたいですね。一つのライブラリファイルの中に、3種類のアーキテクチャに対応したオブジェクトが格納されています。

2011年2月28日月曜日

UIWebView のスクロールを制御するためのプロパティを書いてみた

UIWebView にどうして scrollEnabled プロパティがついてねえんだ Apple のチンパンジー野郎!とお嘆きの全国1000万の iOS 開発者の皆様、こんばんわ。もちろん私もその一人であります。

嘆いていてもしょうがないので何とかスクロールを制御する方法を・・・と思って探していたら、すでに2009年の地点で @nakamura001 さんがこんなブログを書いてらっしゃいました。

http://d.hatena.ne.jp/nakamura001/20090520/1242837408

が、遷移先で詳解されている

http://praveenmatanam.wordpress.com/2009/04/03/how-to-disable-uiwebview-from-user-scrolling/

のコードが正直いまいちなのです。何がいまいちって、せっかくのCocoa環境であるにも関わらず、わざわざobjc/runtime.hなんていう低レベルなC言語の関数を使っています。別にパフォーマンスがタイトな場所でもないですし、かっこよくCocoaっぽく書き直してみました。ということで書き直したコードがこちら↓

https://gist.github.com/846258

で、このAdditionを導入するとですね、
UIWebView *webView = [[[UIWebView alloc] initWithFrame:frame] autorelease];
webView.webViewScrollEnabled = NO;
みたいな書き方ができてハッピーになれます。

内部的には NSInvocation を使っています。 Mac OS X 10.5 (iOS 2.0) から存在するこのクラス、本当に便利で、ぶっちゃけ呼び出し対象のシグネチャさえわかれば何でも呼び出せるスグレモノです。フレームワークを作るときなど、呼び出し先のシグネチャしかわからない状況下で対象のメソッドを呼び出す時などに便利な感じかもです。その上 NSInvocationOperation を使ってそのまま並列化もできたりして。
NSMethodSignature *sig = [subview methodSignatureForSelector:selector];
NSInvocation* invocation = [NSInvocation invocationWithMethodSignature:sig];
[invocation setTarget:subview];
[invocation setSelector:selector];
[invocation invoke];
BOOL result = YES;
[invocation getReturnValue:&result];
return result;

2011年2月20日日曜日

github で pull request をされたとき・するときの手順

github に自分のリポジトリを公開していると、たまに pull request をされることがあります。また逆に、他人のリポジトリのコードを使っていて、どうしても気になるバグを見つけて修正したときなど、相手に pull request を送りたいことがあります。こんなときにどうすればよいかをまとめてみました。


■pull request をしたいとき

pull request をしたいときは、まず相手のリポジトリを fork する必要があります。


このボタンをぽちっとな。

fork したら、 fork して自分の管理下に入ったリポジトリを clone して、コードを修正します。
git clone https://akisute@github.com/akisute/asi-http-request.git
コードの修正が終わったら、自分の fork したリポジトリに push しておきます。
git push origin master
ではコードの修正が終わったので pull request をします。


このボタンをぽちっとな。


するとこうなります。デフォルトでは相手の master に対して自分の master を pull request することになりますが、もちろんこの画面で変更可能です。 request をする先のリポジトリ・ブランチと、リクエストされるブランチをそれぞれ指定できます。それからコメントをつけて送れます。ここでつけたコメントは相手側のリポジトリの Pull Requests タブに記載されるので、それなりにかっこいい内容を書いておくと良いかと思います。あとは相手が受け入れてくれるのを待つばかりです。自分のコメントにコメントがついたらメールとかで通知が来ますんで、適当に返事して相手と連絡を取りながらやる感じになります。


■pull request をされたとき

逆に自分が pull request をされることもありますので、そのときの対処法も。


pull request されると、こんな風に Inbox の Notifications の中に通知が来ます。


対象のリポジトリの Pull Requests タブにもこんな具合でリクエストが入ります。


クリックしてリクエストの詳細を開きます。ファイルの diff 一覧とかどっからどこに対してリクエストが飛んでいるのよとか全部ここで見られます。相手のコメントに対してコメントを返したり、 diff に対してコメントをつけたりできます。 diff につけたコメントは相手にも公表されます。

ここで相手とコメントやりとりとかして、じゃあ取り込もうか、となりましたら、実際に pull request を取り込む作業を行います。自分のリポジトリにマージ用のブランチを用意して、 pull して確認し、問題なければマージ用のブランチと本線をマージして終了。コマンドがよくわからなくても github が全てのコマンドを表示してくれるのでそれを見れば一発です。本当に親切。以下、 master ブランチに対して pull request があったとすると、
git checkout -b pull-request-master master
git pull http://github.com/applicant/his-repository
# 相手のコミットが自分のブランチに pull されてくるので、この状態で動作を確認する
# merge 作業が発生するならここで行う
# 問題がなさそうなら
git commit
git merge master
git push origin master
push まで完了したら先ほどの pull request のページから取り込み完了したよボタンを押しておきましょう。


■おまけ: 自分が fork しているコードの fork 元リポジトリが更新されたので、こちらも最新にしたい

実はこれは pull request をされたときとあんまり変わりません。対象の相手のブランチを自分の fork しているコードに pull すればよいのです。
git checkout -b merge-master master
git pull http://github.com/parent/parent-repository
# 相手のコミットが自分のブランチに pull されてくるので、この状態で動作を確認する
# merge 作業が発生するならここで行う
# 問題がなさそうなら
git commit
git merge master
git push origin master

2011年2月12日土曜日

Redmine を Debian 5.0 にゼロからインストールしてみた

あらかじめ注意: 下記のメモは、ruby, gem, rails, rack, redmineのいずれかのバージョンが0.0.1でも違うと動作しない可能性が高いので、当てにしないでください。


■顧客が説明した要件
  • 1つのサーバーに複数のプロジェクトのリポジトリとかリソースをおいているので、1プロジェクトにつき1個インスタンスが必要なtracは都合が悪い!
  • っていうかtrac飽きた!!古い!
  • 複数プロジェクト扱えるBTSが欲しい
  • 見た目クールだといいね、カスタマイズとかできるとすごくいい!
  • Wikiは絶対必須
  • Google Appsと連携できると素敵だな!
  • 簡単にインストールしたい、時間かけたくない


■プロジェクトリーダーの理解
  • https://www.gravitydev.com/ はすごくいいんだけれど許可下りなさそうだなぁ。そもそもWikiがないから却下。
  • となるとやっぱりRedmineかな!あれすごくいいよね!
  • Redmineに移行しようかみたいな話も社内で出てたし、先んじて導入してノウハウ作るのはありだな!


■アナリストのデザイン
[11/02/10 9:24:53] akisute: redmineのインストールが超面倒くさいんだけれど
[11/02/10 9:24:54] akisute: なんとかならんのこれ
[11/02/10 9:25:02] wozozo ( ゚Д゚)y─┛~~: rails
[11/02/10 9:25:19] tokibito: rails
[11/02/10 9:25:20] 文 殊堂: まいんちゃん
[11/02/10 9:26:39] akisute: http://redmine.jp/guide/RedmineInstall/
[11/02/10 9:26:43] akisute: これ見てるとアホかと言いたくなってくる
[11/02/10 9:26:50] akisute: Ruby 1.9には対応していません。 上記の表に示したバージョンのRuby 1.8.xをインストールしてください。
RubyGems 1.3.1以上が必要です。
Rake 0.8.3以上が必要です。
Rack 1.0.1が必要です。1.0.1がインストールされていない場合、データベースマイグレーションが失敗します。
[11/02/10 9:27:25] wozozo ( ゚Д゚)y─┛~~: aptでいれたgemをupdateしようとすると、
[11/02/10 9:27:34] wozozo ( ゚Д゚)y─┛~~: おい待てって言われるし
[11/02/10 9:27:49] aodag: Redmineってライトニングなのないの?
[11/02/10 9:27:53] tokibito: rubyはaptで入れたら死亡する可能性
[11/02/10 9:28:04] aodag: rvmっしょ
[11/02/10 9:28:04] tokibito: 自分でビルドしたほうが無難とかいう
[11/02/10 9:28:11] tokibito: rvmで。


■プログラマのコード
  1. redmine:redmine ユーザーを新規に作成する
    • 以下の作業はすべてredmineユーザーで行う
  2. rvmの最新をインストールする
    • http://rvm.beginrescueend.com/rvm/install/
    • curl と git-core のインストールが必要。aptitude経由で実施
    • /home/redmine/.bashrcの追記を忘れないように
    • source ~/.rvm/scripts/rvm も忘れないように
  3. rvmに必要なパッケージをインストールする
    • こんなんデフォルトで用意しろよ・・・いいかげんにしろ・・・
    • rvm package install readline
    • rvm package install iconv
    • rvm package install zlib
    • rvm package install openssl
    • この順番で入れないと依存関係の問題で怒られます (opensslがzlibを使うとか)
  4. ruby 1.8.7 をrvm経由でインストールする
    • 参考は http://d.hatena.ne.jp/masasuz/20100720/1279635055
    • 先に rvm package install しないとgemが使えない, zlibがないので
    • ビルドオプションを付けることでopensslとzlibを有効にすること
    • rvm install 1.8.7 -C --with-openssl-dir=$HOME/.rvm/usr -C --with-zlib-dir=$HOME/.rvm/usr
    • rvm use 1.8.7
    • ruby --version
    • gem --version
  5. gemのバージョンを 1.3.7 に戻す
  6. 本当にopensslとかzlibとかインストールされているかをチェックする
    • ruby -r openssl -e ""
    • エラーになった場合はopensslの再ビルドを行う。opensslを使えるようにしないとのちのちrakeを実行するところでエラーが発生して先に進めなくなる
    • cd ~/.rvm/src/ruby-1.8.7-p330/ext/openssl
    • ruby extconf.rb --with-opt-dir=$HOME/.rvm/usr/
    • make
    • make install
    • ruby -r openssl -e "" を再度実行してエラーにならない事を確認
  7. rails 2.3.5 をgem経由でインストールする
    • gem install rails -v=2.3.5
    • rails 2.3.5をインストールすると自動的にrack 1.0.1が入るが、先にrack 1.0.1をインストールしておいたほうが良いかも
  8. rack 1.0.1 をgem経由でインストールする
    • gem install rack -v=1.0.1
  9. sqlite3-ruby 1.2.3 をgem経由でインストールする
    • 参考は http://d.hatena.ne.jp/modka/20101208
    • sqlite3-devel (sqlite3.h) が見つからないとインストール出来ないので注意
    • 最新のsqlite3-ruby は sqlite3 3.6.3 が必要で、Debianのaptitudeでは3.5.9までしか無いので、バージョンを指定して古いsqlite3-rubyを入れる
    • sudo aptitude install sqlite3
    • sudo aptitude install libsqlite3-dev
    • gem install sqlite3-ruby -v=1.2.3
  10. i18n 0.4.2 をgem経由でインストールする
    • rakeの実行に必要
    • rakeお前依存関係に含めろや・・・アホか・・・><
    • gem install i18n -v=0.4.2
  11. redmine のリリース版の最新をダウンロードする
  12. データベースの設定を行う
    • 参考は http://redmine.jp/guide/RedmineInstall/
    • 今回はsqlite3
    • cd ~/redmine-1.1.1/config
    • cp database.yml.example database.yml
    • vim database.yml
    • cd ~/redmine-1.1.1
    • rake generate_session_store
    • rake db:migrate RAILS_ENV="production"
    • rake redmine:load_default_data RAILS_ENV="production"
  13. メールの送信設定を行う
    • 不要と思われる。メールが飛ばないだけで済む
  14. 起動する
    • cd ~/redmine-1.1.1/
    • ruby script/server webrick -e production
    • http://localhost:3000/ が立ち上がるので、 admin/admin でログインする
    • 適切にadminのパスワードを変更すること
  15. ログの設定を行う
    • やっとかないとログが溜まりまくって死ぬらしいので
    • cd ~/redmine-1.1.1/config
    • cp additional_environment.rb.example additional_environment.rb
    • vim additional_environment.rb
    • http://redmine.jp/guide/RedmineInstall/ のログの設定セクションのとおりに設定しておく
  16. Passengerをインストールする
    • 参考は http://d.hatena.ne.jp/Umeyashiki/20100131/1264948069
    • gem install passenger
    • passenger-install-nginx-module
    • ここまでの手順どおりに進めていると、大体以下のものが足りないはず
      • Curl development headers with SSL support... not found
      • OpenSSL development headers... not found
      • Zlib development headers... not found
    • 一旦abortしてそれぞれインストールすること
      • sudo aptitude install zlib1g-dev
      • sudo aptitude install libssl-dev
      • sudo aptitude install libcurl4-openssl-dev
    • nginxの再ビルド(ないしソースコード)が必要になるので、すでにapt-getしたnginxがある場合には使えない。その場合はpassengerをstandaloneで起動して、そこに対してnginxからproxy-passなりなんなりする。
    • 以下、passengerスタンドアロンで起動し、redmineはすべてpassengerにやらせる場合を考えます。ただしpassengerのスタンドアロンは内部的にはnginxを使っているので、いずれにせよ上記のインストールは必要になります。
    • cd ~/
    • mkdir log run
    • passenger start redmine1.1.1 -d -a 0.0.0.0 -p 3000 -e production --log-file=log/passenger.log --pid-file=run/passenger.pid
    • ってやると何故か/tmp以下にlogファイルをつくろうとしていみわからないエラー吐いて死ぬので中止
    • cd ~/redmine1.1.1
    • passenger start -d -e production
    • 最低限のオプションだけで起動すれば起動できた


■営業の表現、約束
  • お客様、 redmine をお求めですか?ご安心ください! gem install redmine で一発に決まってますよ!簡単です!
    • そんなものはない
  • それなら sudo apt-get install redmine で一発です!猿でもインストールできます!!
    • Debian では無理
  • それなら最初から redmine がインストールされている vm イメージがあります!こちらを使えば一発です!
    • Ubuntu と SUSE しかない
  • Trac Lightning とかゆとり。真のエンジニアは ruby の configure & build から自分でやって当然(キリッ
    • そんな業務と関係ないところに何時間(何万円)使うつもり?
    • アップデートどうすんの?何時間(何万円)使うつもり?


■プロジェクトの書類

http://redmine.jp/guide/


■実装された運用

http://www.redmine.org/projects/redmine


■顧客への請求金額

akisute の実働5時間分 = 数万円 = https://www.gravitydev.com/pricing のスタンダードプラン数年分


■得られたサポート

http://redmine.jp/guide/RedmineInstall/


■顧客が本当に必要だったもの

http://twitter.com/shin_no_suke/status/35632371084562433
http://twitter.com/hirokinko/status/36307730025156608
http://twitter.com/hirokinko/status/36310634127695872


■元ネタ

http://ryonoda.wordpress.com/2008/09/26/


■一応補足

Redmine自体はすごく良いアプリだと思います。ええ。いま使ってますが、とっても助かってます。

bitnamiの配布しているパッケージが対話環境でもインストールできるというのは知りませんでした。っていうかbitnamiのページのどこにも書いてないんですが・・・><
wget http://bitnami.org/files/stacks/redmine/1.1.1-0/bitnami-redmine-1.1.1-0-linux-installer.bin
chmod +x bitnami-redmine-1.1.1-0-linux-installer.bin
./bitnami-redmine-1.1.1-0-linux-installer.bin --mode text
でうまくいくようです。

しかしこの方法を使うと勝手にApache, MySQL, Ruby, Subversionをインストールされてしまうみたいなので、きちんと管理したいとなるとちょっと不向きかなと。

2011年2月9日水曜日

UITableView の cell の中に UITextView を配置したとき発生する問題とその対処方法

たとえば Twitter クライアントや SMS クライアントのように、短い文章を入力させるような画面を作りたいとき, Grouped Style な UITableView の cell の中に UITextView を配置して画面を作る事が良くあるかと思います。通常、この作りでほとんど問題はありませんが、特定の条件下で問題が発生することがわかりましたので、回避策をメモしておきます。


■問題

この問題が発生するのは、以下の条件を満たしたときです。
  1. UITableView の cell の中に UITextView を配置する。
  2. UITextView に、縦スクロールが発生するぐらい長い文字列を入力する。
  3. UITextView の中ほどにカーソルを移動する。
  4. UITableView と UITextView の scrollEnabled プロパティを NO に設定する。
  5. UITextView の text プロパティを変更する。
すると, UITextView および UITableView の scrollEnabled プロパティを NO に設定しているにもかかわらず、勝手に UITableView がスクロールを起こしてしまいます。 UITextView の text プロパティを書き換えたら勝手に UITextView が一番下までスクロールしてしまうのはデフォルトの挙動であり、これは問題ありません. UITextView を単品で使っているときは, scrollEnabled プロパティを NO に設定することでスクロールを発生させずに text を書き換えることが可能なのですが, UITextView を UITableView の中に含めたときのみ, scrollEnabled プロパティが無視されてしまい、この問題が発生してしまうようです。

カスタムキーボードを用意したり、本文中のURLを短縮して差し替えたりなど、結構 UITextView の text プロパティを直接書き換えたい要件があったりするので、このままでは困ります。


■解決方法

そこで、相当な荒技ですが、以下のようにして解決を図ることが可能です。
  1. UITableView の cell の中に UITextView を配置する。
  2. UITextView をいったん removeFromSuperview する。
  3. UITextView をいったん UITableView 以外の場所に addSubview する。
    • UIWindow の直下などがおすすめ。
  4. UITextView の scrollEnabled プロパティを NO に設定する。
  5. UITextView の text プロパティを変更する。
  6. UITextView の scrollEnabled プロパティを YES に設定する。
  7. UITextView を元の view に addSubview する。
  8. UITextView を first responder にする。
コードにすると以下のようになります:
UIView *parentView = textView.superview;
[self.view.window addSubview:textView];
textView.scrollEnabled = NO;

textView.text = [currentText stringByReplacingCharactersInRange:selectedRange withString:shrunkenURLString];
textView.selectedRange = NSMakeRange(selectedRange.location + [shrunkenURLString length], 0);

textView.scrollEnabled = YES;
[parentView addSubview:textView];
[textView becomeFirstResponder];
こうすることで, UITableView が勝手にスクロールしてしまう問題を回避することが可能です。

2011年2月4日金曜日

TestFlight 経由のアプリのダウンロード速度を調べてみた




最近 iOS 界隈を賑わせている TestFlight というWebサービスがあります。詳細についてはまぁ TechCrunch さんでも読んでいただくとしまして、この TestFlight が非常に便利そうなので私のほうでも早速試してます。登録も簡単、アプリのマネジメントも良くできていますし、チームを複数用意して管理できるというのも良いです。なんで Apple がデフォルトでこれを用意してくれないのかというぐらい便利です。

が、一つだけ気になったことがあって、まぁタイトル通りなのですが、TestFlight経由だとアプリのダウンロードが遅いのではないか?ということです。ということで実際にやってみました。


■条件

対象のアプリのサイズは17.7MB。
以下の2カ所の回線で計測しました。
  • 会社の回線(確かバッファロー, IEEE 802.11g, だいたい300KB/s程度)
  • 自宅の回線(AirMac Extreme, IEEE 802.11n, だいたい1MB/s程度)

■結果

会社の回線・・・ダウンロードに12分~15分程度
自宅の回線・・・ダウンロードに1分前後、インストール完了まで2分ちょっと

それぞれ別の日に計測したので何とも言えませんし、会社の回線は自分以外の人も使うので遅いときがあるのですが、およそ

遅いとき・・・20KB/s程度
早いとき・・・300KB/s程度

とまぁずいぶん幅がある結果になってしまいました。どうやら時間帯や相手のサーバー側の混雑具合によっても速度が違ってくるようです。いずれにせよそんな猛烈に速いわけではないので注意が必要そうです。たとえば100MBぐらいあるゲームアプリをテストしたいときなどは、今まで通りの地味な配布のほうがよい・・・ということもあるかも。


■余談:TestFlightってどれぐらいのファイルサイズまでアップロードできるのか?

と思って調べてみたらありました。500MBだそうです。400MBのファイルを実際にアップした人がいるみたいです。
http://support.testflightapp.com/discussions/questions/60-max-file-size-on-build-upload

2011年2月2日水曜日

"Failed to launch simulated application: Unknown error." が発生したときの対処法



iPhone シミュレーター起動時に表題のエラーが発生したときの対処法です。


表題のエラーは文字通り原因不明の問題が発生したときに表示されるのですが、問題のうちの一つに「バンドルリソース内にMac OSが使用する予約されたリソース名が含まれていると発生する」というものがあります。

たとえば
Contents
Resources
などの名前のディレクトリやファイルをバンドルリソース内に作成してしまうと、ビルドは通るのですがシミュレーター実行時にエラーが発生するようです。これらの予約された名前は使わないようにすると良いです。

2011年2月1日火曜日

iPhone iPad 向けスタイラスで書き味勝負をしてみた


写真は上から順に、 パワーサポート スマートペン PBJ-9XシリーズPogo SketchoStylus 初期限定生産型


2回戦の記事はこちら: http://akisute.com/2011/05/iphone-ipad-2.html
おすすめスタイラスまとめ記事はこちら: http://akisute.com/2010/06/ipad.html
Bamboo Stylusのレビューはこちら: http://akisute.com/2011/05/ipad-bamboo-stylus.html
oStylusのレビューはこちら: http://akisute.com/2010/10/ipad-ostylus.html

このたび自分が納得できる完成度の iPad 向けスタイラスが3種類揃ったのを機会に、ちょっと書きくらべをしてみる事にしました。


■さっそく試してみた

以下、実際に手書きで字を書いてみたスクリーンショットを貼り付けます。全て一発勝負で書いています。それぞれ上からスマートペン、Pogo Sketch、oStylusです。

neu.Notes



Penultimate




■考察

スマートペンは本当にまるで普通のペンで紙に書いているように書けます。特に「返」のしんにょうあたりを見るとよくわかるのですが、このような綺麗な曲線が非常に楽に書けます。ただしやや太いためか細かい筆跡が難しいです。

Pogo Sketchはスマートペンより細く、やや滑りが悪いため細かい線に強いですし、曲線もしなやかです。しかしながらよく見ると所々線が途切れていたり短かったりすることがわかると思います。これはタッチの感度が悪いためで、タッチを認識せず線が途切れてしまっているためこのようになってしまっています。

oStylusは感度の良い金属製のペン先とペン先が見えるOリング構造のおかげで、細かい字に圧倒的な強さを誇ります。Pogo Sketchのように感度が足りず線が途切れることもありません。弱点として、全体的に長く重くペン先が平たいため、普通のペンと同じようには書けず、線が直線的になってしまっています。

一番書くのが楽だったのはスマートペン、書くのに時間がかかっているのはoStylusだったと思います。


■まとめ

それぞれ一長一短、特徴ある iPad / iPhone 向けのスタイラスが市場に出回るようになってきて、すごくわくわくする感じです!つい1年2年前まではろくな商品がないと嘆いていたのですが、いまや自分の書きたい物に応じてスタイラスを選ぶことさえできるようになりました。素敵!

2011年1月9日日曜日

Python で 5 分でちょっとした XML ファイルを生成する

なんだか西尾先生が面白そうなことをしてるので、便乗してみることにしました。


■課題

今お仕事で iOS のアプリを書いているのですが、その中で次のような plist ファイルを作成する必要が出てきました。 plist ってのをご存じない方は、要するに XML ファイルだと思ってください。
    <dict>
<key>emojiName</key>
<string>表情(嬉しい)</string>
<key>emojiCode</key>
<string>0xE415</string>
</dict>
<dict>
<key>emojiName</key>
<string>表情(にこにこ)</string>
<key>emojiCode</key>
<string>0xE056</string>
</dict>
<dict>
<key>emojiName</key>
<string>表情(笑顔)</string>
<key>emojiCode</key>
<string>0xE057</string>
</dict>
こんな感じで全部で400項目ぐらい。Webページの資料があるので、そこから転載して上記のような plist にするお仕事です。

私がやってもいいのですが、あいにく手が回りません。そこで最近弊社に入社してきました新人さんにお願いすることにしました。ところがどっこい、本当に一個ずつ手で書いているからなかなか作業が進みません。ほかのお仕事もあるのですが、二日でやっと5分の1程度。これはどげんかせんといかんですね。


■さっそくやってみよう

まずは下準備として、ExcelにWebページから情報を貼り付けて整理します。Excelを中間エディタとして使うことで、行と列の操作が簡単になりますし、そのままコピペするだけできれいに表が完成します。整理し終わったら、Excelからテキストエディタにコピペすると、以下のような TSV (Tab Separated Value) になります。
猫 0xE04F
いぬ 0xE052
ねずみ 0xE053
うさぎ 0xE52C
あとはこれを XML にするだけです。さっそくPythonでやってみましょう。
#!/usr/bin/env python

data = u"""
ここに先ほどのTSVをコピペしてください
"""
template = u"""
<dict>
<key>emojiName</key>
<string>%s</string>
<key>emojiCode</key>
<string>%s</string>
</dict>
"""

lines = data.strip().sprit('\n')
for line in lines:
t = line.sprit('\t')
print template % (t[0], t[1])

すごい原始的なコードですが、これでも十分動きますし簡単です。ってあれ、これ元ネタの西尾先生のコードとほとんど同じじゃないですか><


■その結果

まぁそんなこんなで無事 Python のコードもできたので動かしてみましょう。するとあっというまに目的のXMLが画面に出力されました!こうしてなんと残りの5分の4がたったの半日で終わってしまいました!単純な作業は工夫して楽に楽しく素早く片付けてしまいたいですね。

そうそう、ExcelやGoogle Docsのスプレッドシートを一時作業用に使うのはおすすめです。なんだかんだで表を作るならすごく操作しやすいですし、その後作った表をテキストエディタにコピペすれば TSV が簡単に作れるので、便利です。